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怪獣が久しぶりに現れましたの件

第582話


「パラレルワールドか…」

沙羅がぽつりと呟く。


「えっ?」


「いや、この世界はともかく、徹達の世界は私の世界と話を聞いてるとそっくりだなって食事もだけど」


「なるほどそういうことか」


「パラレルワールドって?」

未来が話しに入ってくる。


「分岐した世界と言うかもしもの世界って言うか、並行世界って言い方がいいのかな」


「?」


「つまり世界は同じ時巻軸で進んでいるけど私がいる世界があったり。まぁここで言うなら徹の世界には私がいないっていう別の世界の物語があるって感じかしら」


「まぁそんなところだよね。意外と詳しいんだね。沙羅」


「並行世界については四葉に良く聞かされてたから」


すると遠くから大きな鳴き声が聞こえる。


「なんじゃ」


「ドラゴンかな?」


「ドラゴンはもういないじゃろ」


「そうだったねぇー。じゃあ怪獣かな?」


すると崖の間から大きな怪獣が現れる。


「へぇ、まるで怪獣映画ね」


「沙羅、怪獣映画とか観るの!?」


「何テンション上がってるの?観ないけど」


「そ、そうか」


「???」


「気にしないで沙羅」


「わかった」


ズシン、ズシン


「今度こそ僕達の力を試しましょう」


「そうじゃな、テラフレア」


「メルメルファイヤー」

僕達の炎は以前より力を増している。


怪獣は攻撃に気付き口から熱線を吐く。


「このまま押しきるぞ」


「了解です」

僕達はさらに力を上げる。


すると怪獣の熱線を押し込みそのまま攻撃が直撃する。


「ぎゃぉぉぉぉぉぉん」


「おお、前より力が上がっておる」


「本当に上がっているとは」


「四葉は潜在能力を解放しただけだから怠けてると力が落ちるよ」


「そ、そうなのか」


怪獣がゆっくりと立ち上がる。


「ほう、タフだのぅ」


「風神烈火」


「ダークネスバスター」


怪獣は直撃を受けてまた倒れる。


「おお、何だか力が」


「私もです」


「あの怪獣何だかかわいそうね」

沙羅は刀を召還する。


「ちょっと待ってくれ。俺も力を試したい」


「私も試してみようかなー」


「やれやれ、別にいいけど」


「マッスルガドリング」


「ダイヤモンドバスター」


怪獣は再び倒れる。


「もういい?」


「すげぇ力が上がってる」


「神空流時空列断」

沙羅は怪獣を消滅させる。

確かに力は上がってるけど。


「いやぁ、すごいねぇ」


「おう、これはすごいぜ」


「ふむ、これはなかなかじゃのぅ」


「ねぇ、みんな。油断しないでよ」


「え、でもこれは僕達の元からの力なんだよね」


「そうだけど、さっきも行ったけど潜在能力解放しているだけだから怠けたらこの力を維持できなくなるわよ」


「なるほどな。ではそうならないように皆気を緩めるなよ」


「はい」


「あたいは何もかわんねぇな」


「まぁ仕方ねぇよ。俺が守るから安心しろよ」


「ま、マッスル」

ヒデリは顔を赤くする。


「今なら怖いものはねぇ」


「ちっ」


「えっ、沙羅」


「油断するなって言ってるでしょ!!」


「お、おおすまねぇ」


はぁ、やっぱり還れば良かったかな。それとも1人で旅した方が楽なのか…やっぱり他人と行動するのは苦手だ。


ドシーン!!


「な、なんだ」

さっきより大きい怪獣が現れる。


「もしかしてさっきの怪獣の親かな」


「ほら、マッスルだっけ?早速倒して来なさいよ」

沙羅が冷ややかな顔をしながら言う。


「おっしゃあ、行くぜ」


「ちょっと沙羅?」


「何?」


「福原1人で倒せるの?」


「さぁね。でも自信たっぷりじゃない」


「お前、わざと1人で行かせたのか!!」

ヒデリが沙羅にくってかかる。


「うるさいなぁ、少しは自分の力を知ることもだいじなのよ」


「てめぇ」


ドカーン!!


「よっしゃあ。倒したぜ」


「あ、あれ!?」


「おっしゃあ、マッスル良くやった」


「思ってたのと違う」


「へん、ざまぁみろ。沙羅」


「……」


「そのくらいにしとけ、2人とも」

エリスが呆れながら声をかける。


「沙羅、我々は力に溺れたりはしないから安心しろ。もしその片鱗が見えたら容赦なくボコボコにしろ。それで良いな?」


「……別にいいけど」

沙羅はふてくされて後ろを向く。

はぁ、イライラする。




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