元を叩きましょうの件
第545話
「どうやらあの火山を消し飛ばさないと意味がなさそうじゃな」
「ならば私に任せろ。ブラックホールで何とかする」
「出来るか?」
「誰に言っているんだ。私は力を溜めるからそれまでやつの相手をしていろ」
「わかった」
「あいつをどうしますか?エリスさん」
「倒してもよいが、先程と違ってロミアが参加できないからのぅ」
「とりあえず、私が奴をぶった切るから破片をどうにかせんとな」
「攻撃も防がないとですよね」
「うむ、それをどうするかだな」
「じゃあ僕が防御に専念します。もしかしたら防げるかと思います」
「よし、ではそれで行くぞ」
巨大魔物の口が光る。
「くるぞ!!」
「ハイパーメルメルシールド」
僕は巨大なシールドを発生させる。
そのシールドめがけて光線が発射される。
僕はその破壊力で後方に押し出される。
「ぐぅぅぅ、シールドがぁぁ」
シールドにヒビが入り始める。
「私も手伝うわ。ディフェンスシールド」
「まずはその口を使えなくしてやる」
エリスが剣を魔物の口に向けて振り落とす。
「ぎゃぉぉぉぉぉん」
「どうじゃ、これで攻撃できまい」
魔物は巨大な手をエリスに向かって振りかざす。
「しまった」
バランスを崩したエリスに手が迫る。
「風神竜巻」
エリスは竜巻に吹き飛ばされて魔物の手をかわす。
「すまん、助かった」
「光線はもう撃てないはずだ。次は手を狙う」
エリスは地面に一度着地してもう一度空高く飛び上がる。
「くらえ、ドラゴンスラッシュ」
巨大魔物の腕が切断される。
「ぐぉぉぉぉん」
「ハイパワーメルメルブラスター」
僕の攻撃が巨大魔物のもう一本の腕を消滅させる。
「さすがだな。あの男は」
エリスは思わず感心する。
「エリスさん。蹴りが来ますよ」
「うむ、このまま切り裂く。封神剣流星乱舞」
エリスは魔物の膝を滑るように切り裂いていく。
「ミサイルストーム」
ヒデリのミサイルが魔物の破片を粉砕していく。
「俺も負けてらんねぇ。マッスルガドリング」
「よし、トドメじゃ。封神剣奥義魔神消滅斬」
エリスは巨大魔物を消滅させる。
「ちょっとさっきもそうすればよかったじゃない」
「すっかり忘れておった」
「全く…」
「うわっ、また噴火が起きたぞ」
「まだ出てくるか。ロミア!!早くしろ」
「うるさいぞ。あの規模の山を消し去るには力がいるんだよ。あと少しあがいていろ」
「ちっ、魔物が出てこないようにアブゼロを撃てヒデリ」
「オッケー。狙いはバッチリハイパーアブソリュートゼロ発射ぁー」
すると火山の入口がたちまち凍っていく。
「よっしゃあこれならあの巨大野郎も出てこれないだろ」
「だめだ、違うところから無理やり出てこようとしている」
山がぐらぐらと揺れ始める。
「ロミー!!」
「待たせたな。お前ら下がれ」
僕達は火山から距離を取る。
「行くぞ、ブラックホールダブルブラスター」
強力なブラックホールが火山を呑み込んでいく。
「す、すごい」
「おー、綺麗に山が消えたのぅ」
「ふん、このくらい何ともない」
「ロミア回復魔法を使うわ」
「必要ない。勝手に回復する」
「そ、そうなのね」
「どうやら火山の下に魔術師がいたみたいだな」
「そうなのか?」
「ああ、魔人の力を感じたぜ。でもブラックホールに呑み込まれたけどな」
「じゃああんな強力な魔物を出せるすごい魔術師だったんだね」
「そうだな」
「ふむ、そうなるとこれからも強力な魔術師が現れる可能性があるな」
「問題ない、私がすべて消し去ってやる」
「そうそうその力を使うわけにもいかんだろう」
「私をなめる…な」
ポンッと煙にロミアが包まれる。
「ロミアちゃん!!」
「あ、元に戻っちゃいました」
「一応記憶はあるんだよね」
「はい、生意気な口をきいてしまってすいません」
「いや、別にいいよ。それより回復した方が」
「そうですね。未来さんすいません」
「ええ、大丈夫よ」
「うーむ」
「どうしたんだい、エリス様」
「これからあの規模の魔物が出るとなると力が必要じゃのぅ」
エリスは顎に手を当てて悩む。
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