また村を見つけたよの件
第543話
「次はどこにあるかな」
ヒデリが端末をいじる。
「あと何個くらいあるんだい?」
「まだまだ沢山あるぜ」
「とりあえず近いところから行くしかなかろう」
「よし、見つかった。ここから結構あるな」
「そっか」
「あれ?ここなら途中に村があった気がするねぇー」
ダイヤさんがいつの間にかエリスさんから出ている。
「村などあったかのぅ」
「あったよ。前にも行ったよ。名前は忘れたけどさ」
「ふむ、では目的地に向かいながらそこの村に行ってみるとするか」
「それにしてもよく村がありますね。強敵が多い中で」
「まだ、無事とは限らないけどねぇ」
「そっか、行ってみないとわからないか」
「まだ、着かないんですか」
「そうだな。まだまだ距離があるぜ」
「そろそろ村も見えてくるはずなんだけどな」
「疲れたなぁ」
「徹、弱音吐かないでよ」
「だってさー」
「あ、ほら村が見えてきたよー」
「本当だ。でも生存者はいるんですかね」
「生体反応ありだぜ」
「それは魔物か?」
「いや、人間だな」
「そうか、では早速行くとしよう」
「モモンガの村」
「モモンガってあのモモンガかな?」
「どのモモンガなんだい?」
「あ、こっちの世界にはモモンガって動物がいて」
「ほう、こっちの世界にはそんな動物はいないのぅ」
「じゃあ偶然か」
「あ、お兄ちゃん達旅の人?」
小さな男の子が僕達に近づいてくる。
「ああ、そうだよ。大人の人を呼んできてくれないかな?」
「うん、わかった」
子供は村の中に入っていく。
「子供はいいねぇー」
しばらくすると村人がやってくる。
「あなた達旅の方ですか?」
「はい、そうです」
「よくぞ、ここまで無事にお越しになられました」
「どういうことじゃ?」
「ここら一帯は危険な地域ですので。ご覧ください。この村もだいぶやられております」
「ふむ、では犠牲者も出ているのだな。お主達はそれでもこの村に残っているのか」
「はい、ここには子供が多くなかなか村からは出れないのです」
「その子供を守るためにこの村の戦士は犠牲になってるってことかー」
「は、はい」
「ねぇ、エリス様」
「うむ、お主達は我々ラングレン王国で保護をする。それでよいか?」
「え、ラングレン。もしかして貴女はエリス様ですか?」
「ああ、そうじゃ」
「見違えたので気づきませんでした。失礼致しました」
「いや、まぁ10年経ってるしな」
「ありがとうございます。では私達も準備をします」
「よし、私もアレクに連絡するか」
エリスさんは魔法を使ってアレクさんとコンタクトを取る。
「おおーー!!エリス殿ご無沙汰しております!!」
「ぬおー。アレキサンダーか!!アレクはどうした」
「アレクは風邪を引いて今は出れません!!」
「声のボリュームを落とさんか」
「風邪だって、アレクめ鍛え直しだねぇ」
「おおー!!ダイヤ殿お久しぶりですなぁ」
「やぁ、アレキサンダー久しぶり」
「うう、うるさいのぅ。しかし困ったな」
「どうされました?」
「村人を保護してもらいたいんだがアレクのテレポートが使えないとなるとどうするかのぅ」
「それでは我輩がそちらにお迎えに行きましょうか」
「いや、それはいかん。国が手薄になる」
「仕方ないなぁ。私が村人を連れていくよ」
「おい、ダイヤ。そんなことしなくてもワープホールを作れるだろぅ」
「なんだ、最初からそのつもりだったのかい」
「アレクがいたらアレクに任せるつもりじゃったんだが。仕方あるまい」
「へいへい、じゃあ準備しますよー」
ドゴォォォォォン
遠くから爆発音が聞こえてくる。
「なんじゃ?」
「みてください。あそこの山から煙が」
「火山なんかあったか?」
「魔物が作ったんじゃないの?」
「よくわからんが火山灰が来そうじゃな」
「では、ここは私に任せてください。風で吹き飛ばします」
カエデが力を溜めていく。
「待て、火山灰が来そうにないな」
「はて、どう言うことですか?」
「その代わりなんだかドデカイのが火山から出てきたぞ」
火山の煙から大きな魔物の影が見えてくる。
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