森を作ったモンスターとバトルしたらあいつがやってきた件
第54話
「ぐるるるるぅ」
モンスターが大きな足音を立てながらこちらに向かってくる。
「メルメルバスター」
僕は光の光線を放つ。
が、びくともせずこちらに向かってくる。
「効いてない」
やばい、後ろは僕らが森を燃やしたから火が近づいてきてる。
「メガフレア」
「疾風翔龍破」
エリスさんと、カエデさんが二人同時に攻撃を放つ。
しかし構わずモンスターは進んでくる。
「いかんな、ダメージがとおらないな」
エリスがぼやいた。
するとモンスターが拳を突き上げ殴りかかってきた。
僕は魔法障壁を出そうとしたが、魔法の使いすぎで出すことができなかった。
マズイ、やられる。
僕は目をつぶったが衝撃はなかった。
ああ、即死か…
僕はゆっくりと目を開ける。
「まにあったな、徹」
ゴキブリのようにテカテカと黒光りしたその後ろ姿は…
「ふ、福原」
「力勝負なら俺に任せな」
「俺のマッスルパワーは今猛烈に喜んでいるぜー、くらえ、ダイナマイトボンバー」
福原のタックルでモンスターが後方に吹き飛んだ。
すごい、すごい力だ。
「なるほど、あやつは魔法耐性があるということか、徹、カエデお主らの剣ならダメージはあたえられそうだぞ」
「いえ、僕らの出番はなさそうです」
「マッスルマシンガン」
福原の連続パンチでモンスターはよろける。
「がんばれ、福原」
未来が応援する。
「こいつで、トドメだ、マッスルスペシャルデラックスハイパーギガクラッシュー」
福原のテカテカした体がいっそうテカテカしはじめた。そしてモンスターに体当たりをして、木っ端微塵に粉砕した。
「す、すごいよ、福原こんなに強くなって」
「はっはっは、久しぶりだな。みんな俺の筋肉が喜んでいるぜ」
なんだか暑苦しさがましたような。いや実際に火がせまってて熱い。
「おい、感動の再開はいいが早くここから逃げるぞ」
僕らは急いで森から脱出した。