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魔物襲撃の件

第536話


「ぜぇぜぇ。あんたすげぇな」

村人が目を覚ます。


「よかった。皆さん起きましたか」


「なんでそんなに平然としてるんだ。すげぇハードだったぞ」


「そうですか?」

僕は体力がないはずだがもしかして少しは体力がついているのか?


「すげぇよ。もう1回稽古をつけてください」

村人達が僕に集まっていく。

どうしよう。流石に疲れるなぁ。


「おーーーい。たすけてくでー」

遠くからサイファーさんの声が聞こえてくる。


「何!?」


「魔物の大群が襲ってきたー」

サイファーさんが走ってこっちに向かってくる。

後ろには魔物の大群が追いかけている。


「あのばかもん連れてくるんじゃないよ」

エリスは戦闘態勢に入る。


「待ってください。ここは我々が何とかします」


「えっ?危険ですよ」


「自分達で守れなかったら意味がありません」


「お、村の皆が倒してくれるのか。俺っち助かったぜ」


「お前も責任を取って戦わんかい」

エリスさんがサイファーさんに蹴りを入れる。


「へいへい、わかりましたよ」

サイファーは筒のような物を手に取る。

何だあれは?


「よっしゃ!!行くぜ」

掛け声と共に筒からビームの刃が出る。


「す、すごいビームサー○ルだ!!」


「徹、何興奮してんのよ」


「おりゃおりゃ、乱れ斬りだぁ」

サイファーは魔物を次々と倒していく。


「ほぅ、あやつ口だけではなかったか」


「俺達もあんなナンパ野郎に負けてられないぞ」

村人達が剣を持って魔物と戦い始める。


「どうしますか?エリスさん」


「うむ、サイファーを先頭に上手く戦えておるし私達の出番はなさそうじゃな」


「いいの?それで」


「いいんじゃない?ここで魔物を倒せないとこの村は生き残れないからねー」


「確かにここに残るんだったら僕達抜きで勝てないとってことですよね」


「そうじゃ」


「あー、ミサイルぶっぱなしてぇなぁ」


「我慢だ、ヒデリちゃん」


「よいですな?村長」


「はい、私はエリス様の意見を尊重します。村長だけに」


「……」


「このじじぃは殴っていいシステムだったか?」


「そんなシステムありませんよ!!」


「それよりも村長。サイファーは元々この村の出身ではないのか?」


「えっ」


「流石ですな。エリス様」


「やはりな」


「サイファーはこの村では一番腕の立つ男です。それで魔物を倒すと言って村から出ていったのです」


「へぇー」


「そしたら戻ってきたらあんなにチャラくなってしまって。村人達はそれに怒りを」


な、なんていう理由なんだ。ちょっとサイファーさんが気の毒だな。


「サイファーは本当は良い子なんです」

サイファーと同い年くらいの女性が口を挟む。


「おお、メビー」


「サイファーは旅に出て怖い思いを沢山したんだと思います。それで自分を偽ってるんだと思います」


「昔はチャラくなかったんですね」


「猪突猛進でしたけど大人しい子でした」


「確かにそのギャップでは驚きはするが何も出禁にしなくてものぅ」


「サイファーはこの村を出るときに反対されました。その時にこの村の戦士を全員倒したんです」


「なるほどな。無理矢理飛び出したってことか」


「でも戻ってきたのはこの村が心配だからです」


「いい話じゃないかー」


「ふむ、私達には関係のない話だな」


「そ、そんなバッサリ言わなくても」

僕はおもわず慌てる。


「事実だ。村のことに口出しをするのは良くない」


「お気遣いありがとうございます。エリス様。貴女の意見を尊重…」

エリスが村長を睨み付ける。


「では、我々は出発します」


「えっ、まだ魔物がいるわよ」


「サイファーがいるなら大丈夫だろう」



「ぐわぁぁぁぁぁ」

サイファーの叫び声が聞こえる。


「むっ」


「く、くそぉ。なんだこいつは」


魔物の群れの中からロボットが現れる。


「あれは!!」


「なんじゃ?」


「メカグレミーですよ!!」


「なんじゃとあいつはもう倒したはずだぞ!!」


「もしかして誰かが量産したんじゃ」


「設計図があれば量産なんて簡単だからな」

ヒデリが顔を出す。


「ふむ、メカとはいえグレミーなら私が出るしかないか」

エリスは剣を持って歩き始める。


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