神は裁きますの件
第525話
「いやー、美味しいねぇ。この紅茶」
「でしょう。私のお気に入りなんだぁ」
「エリス様も飲んでる」
「うむ、飲んでおる」
「それよりエリスはなんで子供になってるの」
「まぁ色々あってな」
「そっかぁ」
それでいいのか?ドロシーさん。
「それより、魔物は常にこの辺をうろついてるんじゃないのか?」
「いや、あまり来てないよ。多分私の力を感じているんじゃないかな」
「そうか、では今は平和ということだな。私はぐーたらさせてもらうぞ」
「どうぞどうぞ、このベッドで寝ていいよ」
「な、なんじゃこのメルヘンなベッドは」
「気持ちいいよ」
エリスはためらいながらもベッドに横になる。
「ぐー」
「はやっ!!」
「気持ちいいからね」
「それより君は地上人だね」
「地上人?」
「そう、別の世界から来たんでしょ」
「そうですね。でも地上人って言われたのは初めてだったので」
「あ、そういうことか。神の中では貴方達の世界を地上って呼んでてここの世界は地底世界って呼んでるんだ」
「地底世界…」
「そうそう。まぁ名称なんてあんまり関係ないけどね」
「そうなんですね」
僕達の世界はどうなっているんだろう…
「魔物の匂いがしますよ」
カエデが近づいてくる。
「お、君は魔物の気配がわかるんだね」
「はい、それより大丈夫ですか?」
「うん、結界を張ってあるから近づけないよ」
「そうなんですか」
「それより、君は風神を体に宿してるんだよね」
「え、はい。そういうことになります。でもさっきの話だと神は本来人間には力を貸さないんですよね?」
「そうだね。でも君が生まれた時、私達神が君の力を抑えるのに大変だったんだよ」
「えっ、そうなんですか」
「うん、私が風神に止めに行くように言ったんだけど、まさか融合して止めるとはね」
「そ、そうだったんですね…」
「まぁ気にしなくていいよ。あの時はイレギュラーだったからさ」
「イレギュラー?」
「うん、君は初めての地上人と地底人のハーフだから何が起こるかわからなかったからね」
「な、なんだか申し訳ないです」
「気にしないで」
ドロシーはカエデの手を握る。
「ありがとうございます」
「風神も元気そうだね」
「今のでわかったんですか」
「うん、少しお話も出来たよ」
「それはよかったです」
「おい、ドロシー。魔物が結界を突破したぞ」
「えっ、うそ」
「それだけ強力な魔物ってことですか?」
「どうだろうか。ドロシー今風神と会話したじゃろ」
「ああ、一回結界解いちゃった」
「やはりな。魔術師もどうやらこの領域に入ってきたみたいだぞ」
「あらら、じゃあよろしくね」
「仕方ないのぅ」
「ひゃひゃひゃ、やっと侵入できたぞ。よくも我の塔を破壊してくれたな」
「あー、お前今すぐ引き返した方が良いぞ」
「なんだこのガキは」
「もう一度言っておく引き返せ」
「うるさい、このガキ。それになんだあのメルヘンな建物はバカにしおって」
魔術師はドロシーの建物に向かって攻撃を放つ。
「あ、バカ!!」
エリスは慌てる。
するとドロシーの建物の一部が破壊される。
「あちゃー」
エリスは頭を抱える。
「誰?私のお城を壊したのは」
「またガキか行け魔物達」
魔物はドロシーに向かって走り出す。
「下等生物が大地に挟まれて死ぬがいい」
すると大地が割れて魔物達は落下していく。
「グランドプレッシャー」
ぐちゃりと嫌な音が鳴り響く。
「な、なんだ。貴様は」
「我は大地の神ドロシーだ。貴様のような下等生物が気安く話しかけるな」
「大地の神…地底神か!!」
「あーあ。あの魔術師さっきからだめだねぇ」
ダイヤがエリスに近づく。
「それよりも皆をここから退避させろ」
「はいよ。エリス様も急いで」
「おーい、みんな逃げるよー」
「何がどうなってるの?」
「まぁここから大変だよ」
とりあえず僕達は逃げることになった。
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