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変装が下手な王と再会した件

第50話


「しー、なんでワシだとわかったのじゃ」


「王、いくら変装してもそれをかぶってたら」

エリスさんは王の頭の王冠に指をさす。


「おお、そうかこいつのせいか」

王は王冠をぱっと消した。


「それで、王様がなんでここにいるんですか?」

僕は質問をした。


「おお、実はな…」

王は黙った。


「何かあったんですか?」

未来は慌てた。


「いや、何を言うのか忘れただけじゃ、えっと、思い出した。」


「くそじじいめ」

エリスさんがボソッと言った。


「エリス代わりはなさそうじゃな」


「ええ、変わったのは子供になったことくらいです」


「すまん、すまん。今皇女が必死で魔法を作ってるから」


「それだけですか?」


「もうひとつあってな。お主ら、ジョゼフィーヌの村に福原殿を置いてきたであろう」


「置いてきたと言うのはちょっと語弊が…」

「それでな、あそこの障壁はワシがやるから、福原殿にはお主らに合流してもらうように、こっちに向かわせたから。それを伝えにきたのじゃ」


福原と会える。


「ほんとですか、でも王様、障壁を維持するのは大変って」


「大丈夫じゃよ、未来殿。ワシもまだまだ若い者には負けん」


エリスがつかつかと王の元に歩み寄る。


「王、今福原にこっちに向かわせたと言いました?」


「うん、言ったぞ」


「この、くそじじい」

エリスさんが王を蹴っ飛ばす。


僕らはびっくりして何も動けなかった。


「このへんの魔物は強くなっているんですよ、福原一人で向かわせるとは危険ではないですか」

エリスは、げしげしと倒れた王を踏みつける。


「相変わらず元気じゃのう、エリス、大丈夫だ。ワシが見た限り福原殿はさらに強くなっておる」


「はあ、まあ王が言うならそうなのでしょうね」

エリスさんが頭を抱えながらぼやいた。


「もう、わかりましたから、さっさと城に戻ってください、あと私達は次の村に行くので福原にはそこに行くように伝えてください」

エリスさんは王に色々注文している。


「相変わらず、王遣いがあらいなぁ」


「では、皆のもの元気でな」

王はパッと消えていった。


「王様、面白い人ですねぇ」

カエデさんは呑気に感想を言う。


僕はロミアが王に気づかれなかったことに安堵した。


「まったく、相変わらずだ、あの王は。さ、次の村に行くぞ」


相変わらず…エリスさんもいつもあんな感じで王を蹴り飛ばしてるのか?


「なんか、文句あるか?徹」


「い、いえ何にもないですよ」


僕はエリスさんのあとを追いかけた。


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