魔法少女メルルンになった件(前編)
第5話
「では。誰からテストをしようか?」
「あのテストってどんなことをするんですか?」
エリスさんが水晶をだした。
「まずはこの水晶に手をかざして君たちの適正を数値で測る。それによって向いている職種につくと言う感じだ。まあ、魔法使いとか武道家とかそんな感じか」
エリスさんも意外といい加減な感じだな。まぁ、某ゲームのRPGみたいなもんか。
そのまえに聞いておきたいことがあった。
「あの、この世界は異世界の人間に助けてもらってるってことですけど、この世界出身の人はみんな力が低いんですか?」
「ちょっと徹、失礼だよ」
王がにこりとした。
「そんなことはない、この世界にも優秀なものはたくさんおる。そこにいるエリスはこの世界では一番といって問題ないだろう。
だが、しかし。10年前の戦争で…」
そうか、生き残ったのはエリスさんだけなのか
「みんな、一生分働いたからもう働きたくないってやめちゃったんだよ。で、今から5年前に魔族が復活してな。なんとかエリス一人にかんばってもらってるんだが」
な、なんて理由なんだ。
「もうしわけございません、私がもっと力があれば」
エリスさんが王様に謝罪する。
「いやいや、お主は十分に活躍しておる。お主がもう何人もいればなんの問題もないのだが、ということで異世界からエリスに負けないくらいの力をもった者を呼ぼうとなったのじゃよ」
「あの、じゃあ10年前にこの世界を救った異世界の人はなんで帰ったんですか?」
「ああ、なんでもこれ以上会社に穴を開けたらクビになってしまうとか言ってたな、だからまた召喚したら悪いかなぁと思ってな」
サラリーマンかよ。
おいおい、大丈夫なのか、この世界は。
「よし。まずは俺からだ」
福原が空気を読まずに言った。
自信満々に福原は水晶に手をかざした。
すると水晶がいきなり声を出した。
「魔力値0、糞雑魚。才能なし」
ひどい言いぐさだ。
福原は唖然としていた。
「なんなんだよ、この水晶、壊れているんじゃねえのか」
福原は水晶に睨みをきかせる。
「そんなことはない、ほれ」
エリスが水晶にてをかざす。
「魔力値85、剣術レベル90、スタイル100、適正職は魔法剣士」
「まぁ、こんな感じか」
「あの、最高値はいくつなんですか?」
水晶が答える
「100だよ。坊主」
「次は私が」
未来が水晶に手をかざす。この国のインパクトが強すぎて未来の影が薄い気がする。
「魔力値40 ただし回復魔法適正あり、貧乳」
「な、なんなのこの水晶」
未来は顔を真っ赤にした。
エリスが感心していた
「回復魔法の適正ありか、なかなか良いな」
いよいよ僕の番だ。メルルン力を貸してくれ。
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