封印されしエリスの力の件
第491話
ボトリ
音を立ててロミアの右手が地面に落ちる。
「ガハッ」
「どうした? 悪魔。この程度か?」
「ちっ、流石は神だな。ブラックホールブラスター」
「風神魔人消滅覇」
ロミアの下半身が消し飛ぶ
「ぐうっ!!」
ロミアはすぐに再生の準備に入る。
「再生の時間など与えると思うか」
風神は両手を前に出す。
「終わりだ。魔業消滅陣」
ロミアの足元に魔法陣が展開される。
「え、エリス。どうしよう」
メルルンはどうしたらいいのかわからずおどおどしている。
「させるかぁ!!」
エリスは風神に攻撃を与える。
「ほう、どういうつもりだ? エリス」
「無礼をお許しください。先程も言いましたが私はこの悪魔を元に戻したいのです」
「魔女に情けをかけるとはな。がっかりだよ。エリス」
「くっ」
「いいだろう。その代わり私を倒して見せろ」
「悪魔も神もとことん戦いが好きだな…」
「ふん、人間は黙っていれば良いのだ」
「仕方がない。本気で行かせてもらいます」
「ほぉ、戦いを選ぶのかエリス」
「ええ、ロミアは私の仲間ですから」
「はっはっは。いいだろう。エリス相手になってやる」
ロミアは再生を許されず魔法陣に封印されている。
「今出してやるからな。ロミア。ドラゴンモード全開。ドラゴニックバスター」
風神は両手を出して受け止める。
「ほぉ、なかなか」
風神は攻撃を弾く。
「ちっ。もう一発だ」
「私の手を痺れさせるなんてやるじゃないか、しかしな」
風神の攻撃は容赦なくエリスに向かう。
「ちいっ」
「どうした? ただのそよ風だぞ」
「ドラゴンバーニングスラッシュ」
「効かぬ」
風神の攻撃がエリスの体を切断する。
「がっ!?」
「エリス!!」
「お前もやるか?魔法少女とやら」
「さてと、悪魔もエリスもここで消えてもらう」
「メルメルハイパーブラスター」
「何!?」
風神は直撃をくらう。
「き、効いたかな?」
「はっはっは、なかなかやるな。エリス以上か?」
「どうでしょうか。でもエリスは死んでませんよ」
「何?」
エリスはゆっくりと立ち上がる。
なんだと、先ほど両断したはずだが…
「ああ、痛い。痛い。痛い」
「なんだ?」
「痛いじゃないか、神様」
エリスの目が赤く光る。
すると風神は勢いよく遠くに吹き飛ばされる。
「なんだと!!」
「ロミア。今助けてやるからもう少し待っていろ」
「な、何だ?お前は?」
「エリスだよ。ただお前の知っているエリスかどうかは知らないけどな」
「な、貴様。本当にエリス・クロードか!!」
この禍々しい力は人間の力ではない。それにあの腕、あの翼、この力…
「エリス」
ダイヤドラゴンの背中にいつの間にか王様が乗っている。
「きゃあーー」
「いや、そんなに驚かなくても」
「驚きますよ!!」
「おい、ジジイ。どうするんだ」
「ダイヤ。こうなったら私にもどうにもできん」
「ちっ、役に立たねぇな」
(ダイヤさんの口調がいつもと違う)
「おいおい、どうなっちまうんだよ」
「見届けるしかありませんね」
「うわっ!!」
皇女がいつの間にかダイヤの背中に現れる。
「この夫婦は…」
「我々に出来るのは見届けることじゃ。それと被害を最小限に抑えることだけじゃ。残念だがな。ダイヤ!!」
「行かないよ。あそこには行きたくない」
「それでよい」
エリスが右手をかざしロミアにかかっている魔法陣を消し去る。
「さっさと再生しろ」
「くっ。貴様どういうつもりだ」
「お前は後で元に戻してやる」
「魔人消滅覇」
「封神剣奥義。地獄極楽抹殺乱舞」
風神の攻撃を相殺してそのまま攻撃が風神を襲う。
「ぐはっ!!」
風神はたまらず膝をついて血を大量に吐く。
「早くカエデに戻ってくれないか。カエデは殺したくない」
「神を脅すか。人間」
「今の状況でまだ人間と言うのか?」
「ちっ」
「メルメルメルメル封印砲」
メルルンが風神に向けて魔法をかける。
「な、なに!!」
風神は光に包まれる。
するとカエデが現れる。
「気を失っているみたいだね。今すぐけがを治すからね。エリス!!」
「ああ」
エリスはゆっくりとロミアに近づく。
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