風神ミサイルブラックホールマッスルパワーの件
第478話
「いやぁ、でも徹さん。すごいちからですねぇ」
「そ、そうかな。あんまり実感はないんだけど」
「私達の合体攻撃も披露しますよ」
「ああ、ヒデリさんも言ってたやつだね。楽しみだよ」
そんな話をしながら僕達は歩いていた。
「ねぇ、エリス様。次の目的地は決まってるの?」
「いや、特に決まっていないから歩いてるだけだ」
「えっ、そうなのー」
「うむ、仕方ないだろ。歩いてれば魔物と遭遇するだろ」
「適当だなぁー。じゃあ10年前に行った村に行こうよ」
「な、お前、場所がわかってるならさっさと言わんか!!」
「だって、目的地があるかと思ったんだもーん」
「あそこだよ、あそこ」
目の前には綺麗な村がある。
中には人も居るようだ。
「おお、普通に暮らしておるなぁ」
「さっそく、中に入りましょう」
僕は村の入口に向かう。
「あのー。皆さん。僕達旅人の者なんですが」
「おや、すいません。気づかなくて」
中を見ると村人も沢山いる。
「ほぅ、この村はずいぶん平和ですな」
エリスさんが後ろから声をかける。
「おや!?あなたはエリス様ではないですか」
「私をご存知で?」
「はい、以前貴方にこの村を救ってもらった事があります」
「そうだったか?ダイヤ」
「そうだよ。だからここを覚えてるんだって」
「ああ、そうか」
「この村は魔物は大丈夫なんですか?」
「ええ、何とか気づかれずに過ごしてます」
「こんなに綺麗な村なのに気づかれないのか…」
「私が隠れ蓑魔法が使えるので」
「ほぅ、すごいではないか」
「でも貴女方にあっさりと見つけられてしまいましたね」
「あ、それは私が場所を覚えてたからねー」
「あ、魔物の気配がします!!」
遠くを見ると巨大な魔物がのしのしと歩いてくる。
村人が悲鳴をあげる。
「皆のもの大丈夫だ。この村は安全だ」
村長がみんなに声をかける。
そうこうしていると魔物は通りすぎていく。
「お主達はいつも怯えながら過ごしているということか」
「そうですね。でも見つからないから大丈夫です」
「今のうちに魔物を倒したほうがいいんじゃない」
未来がエリスさんに言う。
「いや、だめだ」
「え、何でよ」
「今ここで魔物を倒したらここがバレるだろう」
「あ、そうか」
「じゃあ、こっそりこの村を出て遠くで魔物を倒せば良いですよね」
「まぁ、そうだな。徹じゃあ行ってこい」
「え、わかりました」
「ちょっと待ってください」
「なんじゃ、カエデ」
「今こそ、私達の合体攻撃を見せるときです。さぁ、ヒデリちゃん、ロミアちゃん、マッスルさん。行きましょう」
「……好きにしろ。この村がばれないようにな」
「はい!!」
4人は村を出ていく。
「あの、僕も心配なので見てきます」
「ああ、そうしてくれ」
僕は急いで4人の後を追う。
「合体攻撃、気になる!!」
「いました、さっきの巨大魔物」
「どうする?もう少し村から離すか?」
「そうですね、ちょっと挑発してみましょう」
カエデがクナイを投げる。
「がぉぉぉぉん」
「よし、気づきましたよ。皆さん逃げましょう」
4人は村からどんどん離れていく。
「すごい、カエデさんが頭を使ってる」
「そろそろいいですかね」
「よし、じゃあ合体攻撃といくか」
「わかりました」
「よっしゃあ。行くぜ」
「風神烈風」
「ミサイルストーム」
「ブラックホールバスター」
「マッスルガドリング」
4人の攻撃が順番に巨大魔物に当たっていく。
「がぉぉぉぉん」
魔物は消滅していく。
「やったー。やりましたよ。皆さん」
「おう、やったな」
「すごいです」
「俺のマッスルパワーも輝いたぜ」
「や、やぁみんな」
「お、徹。あたい達の合体攻撃を見たか」
「すごいでしょう。みんなで考えたんですよ」
「褒めてください。徹さん」
「プロティンくれよ。徹」
「あ、あのー」
「どうしました?」
「今のって合体攻撃と言うか。連続攻撃です」
「「「「あっ!!」」」」
お読みいただいてありがとうございます。ブックマークや、評価いただけるとうれしいです。




