特訓の間のんびりしますの件
第461話
「ふわぁぁぁ、私達は暇だのぅ」
「私も魔法の訓練をするわ」
未来はアレクさんから貰った魔法の書を開く。
「僕はみんなに食事を提供してきます」
「私はそれを食べます」
「俺はそろそろトレーニング再開だぁ」
福原は走っていく。
「あたいはメカの調整しよう」
「……」
ロミアはポツンと立っている。
「おい、お前も座ったらどうだ?」
「は!はち」
「蜂!!」
「あ、ち、違います。はいって言おうとしたら」
「なんじゃ、紛らわしい」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
ロミアは慌てる。
エリスはふぅと一息つく。
「そんなに緊張せんでもよいだろう」
「は!ほい」
ダメだこりゃ
「とりあえず、座れ」
ロミアはおずおずと座る。
「暇だのぅ」
「は、はい」
はて、どうするか。
「ま、マジックでもやりましょうか!!」
「いや、マジックは王ので見飽きてる」
「……」
いかん、ロミアなりに気を使ったんだよな。
「よ、よし。よければマジックを見せてくれ」
「は、はい」
「あの2人何やってんだー」
「あ、あの。ダイヤさん」
「なんだい?メンス」
「あの女の子から何か異様な気配を感じますが」
「あー」
魔王の娘ってことは言わない方がいいよねー
「病気なんだよ。病気のオーラーや」
「なんか、語尾が変ですけど?」
「そ、そないことないで。よし修行の続きや」
「は、はぁ」
「まずは何をすればいいですか」
「とりあえず、魔法力を高めるために精神統一をしましょー」
「精神統一で力が溜まるんですか?」
「うん!大事なことだよー」
「わかりました」
メンスは座って目をつぶる。
「力を溜めるってイメージでやってみて」
「イメージですか」
「そう!イメトレ」
目をつぶるメンスにダイヤが手をかざす。
そして少しづつ力を与える。
「な、なんか力が」
「うまくコントロールして」
「くっうぅ」
「がんばれ、がんばれ」
「だ、だめだ!!」
メンスは気を失う。
「やれやれ、まだまだ力のコントロールは無理かー」
「ちょっとハイペースなんじゃないか?」
エリスが近づく。
「まぁね。でもこの子は潜在能力が高いからそれを上手くコントロール出来ればこの村も安心なんだけどねー」
「そうか、なら一度ラングレンで修行をした方がいいかもな」
「でもそれだとこの村は手薄になるし」
「うむ、そう言えば村長」
「はい、なんでしょう」
「この村を守っていた者はどこに?」
「あそこの小屋で休んでいます」
「ふむ、未来。その者の怪我を治してやれ」
「あ、はい。わかりました」
未来が小屋に入っていく。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「な、どうしたんだ!!未来」
僕は急いで小屋に入っていく。
すると中には素っ裸の男がイビキをかいて寝ていた。
「きゃぁぁあ」
「あ、そういうことか」
僕は魔法でタオルを出す。
とりあえず大事な所を隠す。
「よし、未来。これで大丈夫だよ」
「う、うん」
「それにしてもどこにケガがあるんだ?見る限りどこも怪我してないような」
「確かにそうね…」
「これは何か裏がありそうだ」
僕と未来はうなずき合う。
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