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天空人の件

第457話


「エリスさん。相手が魔物じゃないなら僕達侵入者じゃないですか?」

僕はエリスさんの元に駆け寄る。


「いや、大丈夫だ」


「なんの自信よ」


「それよりもまた来るかもしれん攻撃に備えよ」


「マスタードラゴンソード!! いつでもいいよー」


さてどうなるか…


「何も起きませんね」


「ちょっと進んでみるー?」


「いや、ここでいい。いい加減に姿を表せ!!ジョゼフ」


「えっ!!」


「ジョゼフさんってあの?」


「そうじゃ」


「やはりお気づきになりましたか。エリス殿」


「貴様、どういうつもりだ」


「わー、ジョゼフだ。足は足はある?」

ダイヤさんが興奮する。


「ダイヤ、久しぶりだな。足は有るぞ。とりあえず場所を移しましょう」

ジョゼフさんは持っている杖を地につけると地面に紋章が現れる。


「わ、わ」


「慌てるな!!」


気づくと僕達は王座?にいた


「ご無沙汰してますな。エリス殿」


「相変わらずのメタボリックだな」

よくよくジョゼフさんの姿をみると白の羽衣?のようなそうまるで神様のような格好をしているが絶妙にお腹が出っ張っている。


「ははは、相変わらずですな」


「ねぇ、ジョゼフって死んだんじゃないのー?」


「ええ、まずはそこから話さないとですね」


「勿体ぶるな」

エリスさんはイライラしている。


「私が死んだことはご存じかと思いますが。私が死んだあとに私の魂は空を飛びました」


「成仏できなかったのか?」


「よくわかりませんな。そのまま空をさ迷っているとこの城が現れて私の魂を回収したのです」


「ふむ」


「それでここの城の王が私に生前の肉体と同等の物を形成したのです」


「つまり、お前はジョゼフであってジョゼフでないと言うことか?」


「まぁ、そういう考えでも問題ないですな。

この城の人々は天空人と言います」


「てんくうびと?」


「はい、王はそう言っておりました。地上界で功績を残したものが亡くなった時はここで保護をし地上を見守る存在にすると」


「つまり神様とでも?」


「どうなんですかね?結局地上を見守るだけで直接手を下すことはありません」


「ふん、随分と偉そうな立場だな。その割には派手に攻撃を仕掛けてきたな」


「あれは申し訳ない。今までこの城の存在を知られることはなかったもので」


「気に入らんな」


「そうですか。どうすれば良いでしょう。私は久しぶりにエリス殿、ダイヤに会えて嬉しいのですが」


エリスさんとダイヤさんは黙る。


「あ、あの。今回は何で僕達に発見されるような場所にいたんですか?」


「地上の異変をもう少し近くで観察しようとしたんですよ」


「観察…ね。お前はやっぱりジョゼフではないな」


「どう言うことです?」


「昔のジョゼフなら制約など気にせず、この混乱した地上界を放って置くわけがない。それが神様気取りで高みの見物とはな」


「厳しいですな。あなたもいずれこちらの住人になるかも知れないのに」


「そんなものこちらからお断りだ」

気づくと僕らの周りには天空人が集まっている。


「どうする気だ? 存在を知ったからには私達を殺すか?」


「……」


「私の邪魔をするなら神だろうと切り捨てる」

エリスさんが一気に力を上げる。

周囲の柱にヒビが入る。

今までとは違う、明らかに本気だ。


「待ってください。エリス殿」


「なんだ、神かなら私等あっさり殺せるだろう」


「違います。私達はあなた方をどうこうする気はありません」


「ほら、ジョゼフさんもああ言ってるんだからエリスさん」

未来は慌てて静止する。


「お前たちは本当に見守るだけか?」


「はい、我々に危害が加わることがなければ」


「そうか」

エリスさんの気が収まっていく。


「それよりさ、ジョゼフの魂を回収した王様は?」


「ああ、王は私に王の立場を譲り消えました」


「じゃあ、ジョゼフよりも優秀な人間がここに回収されたらジョゼフも消えるの?」


「そう言うことになりますね」


「だってエリス様」


「関係ない。皆のものさっさと海岸を渡るぞ」


「もう行ってしまうのですか」


「もちろんだ、ここに用はない。いやここに私達は来ていない」


ジョゼフさんはふっと笑う。


「ジョゼフ、お前よりも優秀な奴がここに現れることはないから安心しろ。そう簡単に人間は殺させやしない」


「わかりました。ここで見守るとしましょう」


「じゃあな。少しは痩せろよ」

僕達は慌ててエリスさんについていく。


「よろしかったのですか?王」

1人の天空人が声をかける。


「いいのだ、エリス殿は変わらずあれでいいのだよ」

ジョゼフは優しい顔で見守っていた。

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