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地下の村に着きましたの件

第441話


「よし、あと少しで着くぞ。徹」


「ぜぇぜぇ、おえっ」


「だらしないわねぇ」


「大きな門だねぇー」


「開けられるか?」


福原が門を力ずくで押してみる。


「びくともしねぇぞ」


「じゃああたいのミサイルで」


「やめい、我々は盗賊ではないんだぞ」


「冗談だよ」


「お主ならやりかねんからな」


「信用ねえなぁ」

ヒデリはほっぺを膨らませる。


「引き戸だったりして」


「そんな、バカな。まぁ試してみるか」

福原は大きな扉を引っ張ってみる。


すると門が開いていく。


「おお、開いた」


門が開くときれいな町並みが広がっている。


「すごい、村のレベルじゃないですよ」


「お、おお。そうじゃな。しかし誰も我々に気づいておらんぞ」


「確かに警戒心ないね。門も開いたのに」


「おーい、ここですよー」

村人に向けてカエデが大声で呼び掛ける。


「アホ、もっとちゃんと挨拶せんか」

村人はこちらに気づいてざわつき始める。


「ああ、やはり怪しまれてる」


3人の若者が武器を持ってこちらに近づいてくる。


「なんだ、お前たちは」


「私達は旅のものだ。たまたまここの入口をみつけたのじゃ」


「嘘をつけ盗賊だろう」


「盗賊だったらこんな大勢で来ませんよ」


「じゃあ海賊だな」


「いや、そういうことじゃなくて」


「仕方ない、私はラングレン王国から来ている。紋章もある。信じてほしい」

エリスさんは手から紋章を出す。


「おい、盗賊じゃないのかな」


「海賊でもなさそうだぞ」


「じゃあ何者なんだ?」


「お前たち!!」

後ろから大きな声が聞こえる。


どうやら僕たちではなく、3人の若者にむけて発せられたようだ。


「わ、村長だ。逃げろ」

3人は散って行った。


「旅人達、無礼をお許しください」

村長と思わしき人物が頭を下げる。


「いや、こちらも突然来てしまって申し訳ない」


「いえいえ、久しぶりの客人です。歓迎しますよ」


「それよりもすごいですな。確か地上に村があったはずですが?」


「ええ、地上では村人達を守りきるのが限界で地下に村を作ったのです」


「それで魔物は襲ってこないんですか?」


「なかなか、この場所を特定できる魔物はいないようです」


「へー、すごいんだなぁ。ここならいいパーツもありそうだな」

ヒデリが目を輝かせる。


「村人の皆さん、彼女たちは旅のものです。くれぐれも失礼のないように」

村長が大きな声で村人に言う。


お年の割には大きな声だな。いや、年だからか?

失礼だな……


「どうしたの?徹」


「いや、何にもないよ」


「そういえばカエデさんは?」


「あそこにいるぜ」


「店主さん、この食べ物はなんですか?」


「ああ、これは異世界から来た人が教えてくれた。カステラっていう食べ物だ。食べるかい?」


「はい、ぜひ!!」

カエデは迷うことなく返事をする。


「ジョゼフさんですかね?」

僕はエリスさんに尋ねる。


「うむ、おそらくそうだろうな」

エリスさんは嬉しそうな顔をしている。


「あやつはもういないがこうやってあやつの物が形に残ってるのは良いことだな」


「そうだねー。私もカステラもらおうかなー」


「ぜひぜひ、沢山あるから食べてください」


僕達は一斉にカステラを食べ始める。


「美味しい。ほどよい甘さで食感もちょうどいいわ」


「そうだね、美味しい」

僕も美味しさに感動してる時だった。


「な、なんだ? 体が痺れる」


「わ、わたしも」


「はっはっはっ、引っ掛かったな。人間」


「な、なんだと。お前もしかして魔物か」


「どうやら、ここにいるやつらは全員魔族」


「そうだ、まんまと騙されたなって……お前なんで毒が聞いてないんだ」


「私は食べてないからな」

エリスはどや顔をする。


「私は魔族なので効きませんよ」

ロミアもどや顔を決める。


「ついでにあいつも毒は効かないぞ」

カエデはまだカステラを食べていた。


「く、くそ。みんなこいつらを一斉に攻撃するぞ」


「ふん、来るならこい」

エリスとロミアは戦闘態勢に入る。


カエデはまだカステラを食べていた。

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