水神様の態度が変わりすぎな件
第439話
「風神様、間違いなく風神様ではありませんか」
「だから言っているだろう」
「そこにおられるのならもっと早く言ってくだされば」
「お前がどんな行動をするのか見たかったからな」
「何だか様子が変よ。ダイヤさん。どういうこと」
「神にも序列があるのさー」
「なるほど。つまり風神様の方が位が上ってことですね」
「そういうことー」
「それにしても変わりすぎ」
「水神よ。エリスと戦うか? それとも私と戦うか」
「とんでもありません。私はおとなしく上流に戻ります」
「そうか、では達者でな」
「はいー」
水神はさっさと上流に戻って行った。
「ふぅ、風神様助かりましたぞ」
「エリス・クロード。お前があいつのところにまた来るから行けないのだ」
「申し訳ない。すっかり忘れておりました」
「忘れてたんかい!!」
未来が思わずツッコミを入れる。
「まぁ、よい。私は戻るぞ」
パッと風神の気配が消える。
「はれ?私どうしたんですか?」
「何にもないわよ、カエデ」
「はぁ。そうですか」
「それにしても10年前にあんな力を持った神に怪我を負わすなんて、エリスさんもすごいわね」
「まぁ、一矢報いただけだ。そのあとはボロ負けじゃったよ。なぁダイヤ」
「そうだっけ?結構いい勝負してたよ。あの時エリス様本気出してなかったし」
「もう言うな。また現れても困る」
「じゃあ、さっさとこの川沿いから撤退だねー」
「うむ、もう近寄るのはよそう」
「まてい!!」
エリスはびくりとする。
「ま、まさか」
「我は魔術師ヘンリンだ。お前たちを倒しにき」
エリスはヘンリンを剣で切断する。
「紛らわしいんじゃ、このボケ」
「危ない、危ない。それは幻影だよ」
「ほぅ、なかなか腕のある魔術師だな」
「あの、とりあえずここから離れましょう」
「ふん、そうやって逃げる気か小僧」
「いや、そうじゃなくて」
僕は上流の方を見る。
「エリスさん、逃げましょう」
「うむ、そうだな。皆のもの撤退じゃ」
「まて、逃げるんじゃない!!」
ヘンリンは魔力で僕らの前に壁を出す。
「ぶぎゃ」
エリスがもろに壁にぶつかる。
「くそ、これじゃ逃げられない」
「鼻が鼻が痛い!!」
「仕方がないね。ここで相手をしますか」
「よっしゃあ、ミサイル発射ぁ」
「ふん、バリア」
ヘンリンがミサイルをあっさり防ぐ。
「バカ、派手にやるな」
「だってよぉ」
「マッスルダンベルスイング」
ダンベルがヘンリンに直撃する。
「ぐふぅ」
「よし、決まったぜ」
「ふん、それも幻影だ」
ヘンリンは再び姿を表す。
「くそ、さっきから幻影ばかりだ。メルメルサンダー」
ヘンリンは直撃をくらうがまた現れる。
「ふはははは、どんどん増えてやる」
ヘンリンの数がどんどん増えていく。
「どれが本物ですか!?風神列破」
カエデが分身をしたヘンリンを次々と倒していく。
「よし、カエデ良いぞ、良いぞ」
「だめです、みんな偽物です!!」
「ちぃ、本物はどこじゃ」
「ふははは」
四方八方からヘンリンの攻撃が襲ってくる。
「ディフェンスフィールド」
未来の魔法でヘンリンの攻撃を防ぐ。
「ふん、いつまでもつかな」
「くっ、こんのぉぉ」
未来はフィールドの力を上げる。
すると突然強力な光線がヘンリンを一瞬で消滅させる。
「な、なんだ」
「また、幻影か」
「貴様、私の縄張りで派手に暴れているではないか」
水神がまた戻ってきた。
ちゃんと姿を見てなかったが、竜に鱗や水かきが付いたような見た目だ。
水神はさらに光線を発射する。
「くそ、神がいるなんて聞いてないぞ」
「うむ、言ってないからな」
「みてみて、段々と分身が減ってきたね」
「魔力の使いすぎじゃ」
気づくとヘンリンは1体になっていた。
「もう、おしまいか下郎」
「く、くそぉ」
水神は勢いよく水中から飛び出しヘンリンにかぶりつく。
そしてそのまま水中に引きずり込む
「うわ…」
「とりあえず、私達は去るとしよう」
僕達は急いで現場から走っていった。
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