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忍者村に着きましたの件

第431話


「あ、見えてきましたよ」


「なんだか懐かしいなぁ」

僕は旅に出た頃を思い出す。


「じゃあ私が先に言って話してきますね」


「うむ、頼んだぞ。カエデ」


カエデはそそくさと村に入っていく。


「ぬわー」

カエデが網にかかる。


「あれ? カエデじゃない」


「あやつ、自分の村の罠にかかるとはまぬけだのぅ」


「久しぶりです、皆さん。親方様はいますか」


「いるにはいるけど…」


「え、親方様に何かあったんですか!!」


「何だか様子がおかしいねぇー」


「うむ、様子が変だ我々も行くぞ」


「ぬおー」

エリスさんは網に引っ掛かる。


「お前ら私たちはカエデの仲間じゃ」


「あっ、すいません」


「それよりハヤテがどうしたのだ」


「はい、どうぞ、こちらに」

カエデは急いでハヤテの部屋に入る。


「父う、親方様。大丈夫ですか!?」


「ううぅ、カエデか。よく来たな……」

ハヤテはうつ伏せで寝込んでいる。


「おい、ハヤテどうしたのだ」


「これはエリス殿、ご無沙汰でござる」


「おー、ハヤテ久しぶりー」


「ダイヤ殿もお元気そうで、くっ」

ハヤテは痛みに顔を歪める。


「おい、ハヤテの妻よ。ハヤテはどうしたのだ」


「はい、実は……」


「ぎっくり腰~!!」


「重たい物を持ったら腰がグキッといってしまったのでござるよ」


「なんだ、安心しました」

カエデはへたりと座り込む。


「お主も年老いたのぅ」


「ハヤテはエリス様とそんなに変わらないんじゃないの?」


「12も上じゃ」


「それより派手に戦っておられるようですね」


「おお、流石だな。力を感じたか」


「ええ、カエデも風神の力を上手く使っているようだな」


「はい、何とかですが」


「カエデ、村の皆とお話をしてきたらどうですか?」

ハヤテさんの奥さんが提案する。


「はい、そうですね。久しぶりに話してきます」

カエデはそそくさと外に出ていく。


「よいのか? 本当はお主たちと話したいんじゃないのか?」


「私達は親子の関係を切っておりますから」


「徹底してるなぁ。そういえばハヤテさん。これを腰に張ってください」

僕は魔法で湿布を出す。


「なんでござるか、そのような怪しいものなどいくら徹殿の頼みでも」


「まぁまぁ、とりあえず」

僕は無理やりハヤテさんの背中に湿布を張る。


「うひやぁぁあぁ」


ハヤテさんの珍妙な声で村のくノ一が僕を取り囲んだ。


「いや、大丈夫ですから」


「な、なんて気持ちいい。素晴らしいですぞ。徹殿」


「ほ、ほら皆さん。これは湿布と言ってねんざやぎっくり腰に有効なんですよ」


するとくノ一達は消えていった。


「ふう、怖かった。何枚か出して起きますから効き目がなくなったら新しく張り直してください」


「私も回復魔法を使うわ。ぎっくり腰に効くかわからないけど」


「かたじけない」


「せっかくからかおうと思ったのに残念だなー」


「ダイヤ殿は相変わらずですござるな」


「はっはっは、腰踏んであげようか?」



「みんな。お久しぶりです」

カエデがくノ一集団に声をかける。


「本当に元気で良かったよ」


「みんなに迷惑かけてない?」


「お腹空いてない?」


「迷子になってない?」


(私のイメージ……当たってるけど)


「それより、さっきから魔力を感じるのよね」

1人のくノ一が言う


「そ、そうですか? 気のせいですよ」


(ロミアちゃんのことですね)



「ふぅ、カエデさん。嬉しそうだな」

ロミアは村の外で1人で待っていた。


「私が村に入るわけには行かないから」

(普通の村なら問題ないけど、忍者村は流石に気づかれてトラブルになるからと言ったけど暇だなぁ)


「よし、ちょっと散歩でもしよう」

ロミアは周辺を歩くことにした。

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