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盗人はどうしますか?の件

第391話


「あ、あいつ逃げてる」


「どうしますか?私なら追いつきますけど」

カエデが走る準備をする。


「いや、もう良い、放っておけ」


「いいんですか?」


「別にあやつは今までそうして来たのだから今さら我々が手をさしのべる必要もなかろう」


「盗人なんて、この世界には沢山いるからね。一人一人にかまってらんないよー」


「そういうもんなんですね」


「ああ、これからもああいう輩に会うと思うぞ」




「ふぅ、あいつら追っかけて来ないな」

それにしてもこの指輪いくらで売れるかなぁ。

ニシシシとカイは笑う。


ジー


「なんだよ、そんな分かりやすい見かたすんなよ」


「……」


カイの目の前には上半身がセミで下半身が馬の魔獣が立っていた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ」


「エリスさん、今の声は」


「うむ、あの盗人だな」


「魔獣の匂いがします」


「急ぎましょう」


僕たちは急いで声の方向に向かう。


「う…」


「お前らはみるな刺激が強い」


魔獣がちょうどカイの上半身を食べているところだった…


「うっうえぇ」

未来がおもわず嘔吐する。



「魔獣セミホース…」


「ダイヤ、私たちで倒すぞ。若い連中は無理だ」


「オッケー」


「私は大丈夫です」

ロミアが前に出てくる。


「わかった、では行くぞ」


3人はセミホースを囲む


セミホースは誰を攻撃しようかキョロキョロと見渡す。


「あ、私と目があったよ」

ダイヤがそういった時だった、セミホースが跳躍して未来の元に着地する。


「未来!!」

駄目だ!!間に合わない」


「いやぁぁぁぁ」


セミホースの牙がむき出しになり未来に噛みつこうとする。

するとその牙をカエデが受け止める。


「カエデさん!!カエデさん?」


「ふふふふ、娘が気を失ったお陰で久しぶりに表に出られたぞ」


「いかん、風神が目覚めた!!徹、未来を連れて逃げろ」


「わ、わかりました。ヒデリさんと福原も掴まって」


「お、おう」


「メルメルテレポート」

僕達はエリスさんの元にテレポートする。


「魔獣か。おい、エリスこんなやつに苦戦しているのか?」


「いや、まだ戦っておらんよ」


「ふん、じゃあお前が倒すか?」


「遠慮しておく。我々は遠くから見てますよ」


「ふん、良い子だ」


「さぁ、下郎よ。私を楽しませてみろ」


風神はセミホースを吹き飛ばす。


「ぐるるるるる」


「ふん、そんな威嚇など無意味だ」


セミホースはものすごい早さで風神に突撃する。


「神罰風神烈火」


風神の手から炎の竜巻が吹き出す。


セミホースは炎に包まれながらも突撃を止めない。


「下郎め、力の差も理解できぬか」


「烈風流星斬」

風神はハヤテブレードでセミホースをバラバラに切り刻む。


「とどめだ!!烈風」


ジュッと音をたててセミホースは消滅した。


「エリス。随分と甘いな、若い者にも現実をしっかりと見せておけ」


「…承知しました」


「珍しく素直だな」


「あなたとはやりあいたくないので」


「素直なのは良いことだ。では私は戻るぞ」

するとカエデはどさりと倒れる。


「エリス様?」


「うむ、皆のもの。これが現実だ」


「はい、カイさんがこんなことになるとは思いませんでしたけどよくわかりました」

僕は魔法で穴を掘る。


「せめて、弔わせてもらってもいいですか?」


「お、おお」


「どうかしましたか」


「いや、意外だな。お前が一番冷静だったから」


「人の死は向こうの世界で見ましたから…」


「……」


「よし、準備できましたよ」


「しかたない。この指輪はこいつにくれてやろう」


「そうですね」


こうして僕らはカイさんの墓に手をあわせて次の目的地に向かっていった。

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