ワニワニパニックの件
第381話
「さて、これから行くところだがあそこの湖を越えなくてはならない」
「どうやって越えるんです?」
「また、フレイルとダイヤに乗るのがいいだろう」
「そうだねぇ」
「ちょっと湖から何か出てくるわよ」
「あれは!!」
「ワニじゃねぇか」
「すごい数ですよ」
「それに大きい」
「よっしゃ、ミサイルストーム」
ミサイルはワニ型に当たっていく。
ワニの背中に傷はつくが致命傷にはならない。
「やっぱり固い系か」
「ダンベルクラッシャー」
ワニ型の頭にダンベルを落とす。
一瞬ぐらつくがすぐに噛みついてこようとする。
「あぶねぇ」
「いくぞ、メルメルサンダーブラスター」
ワニ型の大群にサンダーを放つ。
「ダメージは通ったか?」
「ダイヤモンドストライク」
ワニ型がダイヤモンドで固まっていく。
「なるほど、固めれば良いのか。アブソリュートゼロストーム」
ワニ型に直撃し、次から次へと凍っていく。
「封神剣、真っ向両断」
エリスはワニ型を真っ二つに切る。
「うひゃあ、さすがエリス様」
「この封神剣に切れないものはない。さぁどんどんかかってこい」
「ブラックホールカノン」
ロミアはブラックホールを発射してワニ型を吸い込ませる。
「よし、湖に雷を撃ち込みます。皆さん離れてください」
「メルメルメルメルプリンプリンのカイザーサンダーボルト抹殺クラッシュ」
僕は強力な雷を湖に撃ち込む。
すると大量のワニ型がぷかりと浮かんでくる。
「おお、凄いね。徹」
「メルルンの魔法って物騒ね」
「そんなことはないよ。メルルンは愛と正義の女神なんだから」
「これなら安心して湖を渡れるね」
「そうじゃな、フレイル出てこい」
フレイルがエリスから出てくる。
「おー、おじいちゃん久しぶり」
「ダイヤ、貴様というやつは」
「じゃれあってないで、さっさとドラゴンになれ、ダイヤ」
「はーい」
ダイヤはドラゴンに変身する
「よし、では各自適当に2人の背中に乗って湖を渡るぞ」
「了解です」
僕たちは湖を渡り始めた。
「そういえばダイヤさん」
「なんだい?」
「フレイルも人型になれるんですか?」
「なれるよ、でもなってももうおじいちゃんだからならないんじゃないかな」
「そんなに歳なの?」
「100年以上は生きてるんじゃない?もう数えるのも辞めたってって言ってたし」
「ダイヤさんは?」
「内緒だよー。少なくともおばあちゃん、おばちゃんじゃないのは間違いないけどね」
「あの女また私の悪口を言っておるな」
「じじいの割には耳がいいのぅ」
「主まで悪口を言わないでくだされ」
「悪口ではないよ」
「でもよぉ、このまま何事もなく湖を越せるのか?」
福原が心配そうに言う。
「下を見てみろ。ワニどもはみんな死んでおる」
「気を失ってるだけとか?」
「そしたらあたいがアブゼロミサイルを撃つから安心しろよ」
「そうかぁ」
「でも、カエデが躊躇うとはねぇ。一番肝が座ってると思ってたよー」
「もうその話しは止めましょう。何だか恥ずかしいです」
「別に普通のことだよ。エリス様もああはいってるけど、私とエリス様で何とかするからさ」
「ただ10年後、20年後にまた魔族が復活して同じようなことがあったら君たちが率先して戦ってほしいけどね」
「何だか、未来が想像できませんね」
「そうねぇ、私達は元の世界に戻れるのかしら」
「まだまだ先な気がするね」
「そっか、3人はこの世界の住人じゃなかったね」
そうこうしていると何事もなく湖を越えた。
「ダイヤよ、私の悪口を言ったな」
「言ってないよ、人型になったらよぼよぼのおじいちゃんになるって言っただけだよ」
「悪口ではないか。ならば見てろ」
フレイルは光に包まれていく。
光がなくなると目の前にはイケメンと言って問題がない紳士が立っていた。
「だ、だれこのダンディは」
「あたいの好みだ」
「おお、まだその姿を維持出来ておるのか」
「そうですよ主。なら大変な時はお主もそれで参戦してもらうぞ」
「わかりました、主」
すごい、かっこいいけど。もっと前から参戦できたんじゃないのか?
僕は思わず疑問を感じてしまった。
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