大人エリス復活の件
第360話
「よし、そろそろ行くぞ。準備はできたか?」
「はい、出来ました」
僕達は集合して出発をしようとした。
すると目の前にワープゲートが現れた。
「な、なんじゃ」
「はぁい、皆さんお久しぶりです」
「お、皇女とアレク」
「ど、どうしてこんなところに来たのですか?」
「あら、私が来たということはどういうことかわかるんじゃないの、エリス」
「あ、もしかして大人に戻る方法がわかったんですか?」
「その通りです、未来さん」
「エリス、待たせたわね。これから戦いはどんどん厳しくなるでしょうから私がその呪いを解いてあげましょう」
「今、呪いっていったよな」
「ええ、言ってました」
「そうですか、わざわざすいませんって言うと思ったか。とっくに治す方法があったのでしょう!!」
「あら、ばれてた?その格好も可愛いからついつい先延ばしに」
「くっ!!」
「まぁまぁ、これで元に戻れるんですから、でも幼女キャラがなくなるのは少し惜しいな」
「徹、何言ってるのよ」
「いや、何も」
「このロリコン」
「な、違うよ」
「おい、痴話喧嘩はやめろ」
「じゃあ、治すわね」
皇女は僕らにはわからない呪文を唱える。
光がエリスを包んでいく。
するとエリスは元の姿に戻っていく。
「おお、ようやく元の体に戻れた。皇女ありがとうございますって言うと思ったか、皇女のせいで大変だったんですよ!!」
「まぁまぁ、これで元通り。ただし力の使い方には注意してね」
「…はい、それはわかっています」
「うむ、それなら宜しい。ではアレク」
「は、はい」
「帰りますよ」
「わかりました。あ、それと未来さん」
「はい」
「随分と力を付けましたね。感心しました」
「本当ですか!!ありがとうございます」
「それは私が教えたからねぇ」
アレクの肩にダイヤが手をかける。
「な、なたやた、みひらた」
「おちつけ、アレク」
「なぜ!師匠がここに」
「し、師匠!!」
「アレクに魔法の手解きをしたのは私だからねー」
「まさか、師匠が合流されてるとは」
「まぁね、エリス様との赤い糸でつながってるからさー」
「うるさい、このアホ」
「あらあら、ダイヤ。久しぶりですね」
「皇女様も相変わらず若いですねぇー」
「あら本当。嬉しいわ」
「皇女様もダイヤさんのことをご存知なんですね」
「それはそうですよ。10年前の英雄の1人ですからね」
「そうだよ。私はすごいんだよ」
「ダイヤさんっていくつなの?」
「さぁ、ドラゴン族は長寿だし。もう忘れちゃったよ」
「へ、へぇ」
「それより、アレク。修行は怠っていないかね」
「もちろんですよ。師匠」
「ならばよし。これからも頑張ってね。じゃないとまたあの地獄の修行をするからねー」
「は、はい!!絶対に怠りません」
2人に何が合ったのだろうか…
「おい、せっかく私が大人に戻ったのに目立ってないぞ」
「やっぱり幼女キャラのアイデンティティーがなくなったから」
「何を言っておるのだ」
「よくみるとちょっと老けたね」
「28だからな。10年前より老けるのは当たり前だろう」
「でも、エリスさんの体から溢れる力は今までとは比べ物にならない気がします」
「そうだな、今までは全力で戦えなかったからな」
「さて、そろそろ帰るわよ。アレク」
「はい、すいません。ではみなさん」
「はい、お気をつけて」
「エリス…」
皇女は心配そうな顔でエリスを見つめる。
エリスは黙ってうなずく。
そして2人はワープホールをくぐって消えていく。
「さてと、これで元通りじゃ。皆のもの行くぞ」
「はい!!」
エリスは上機嫌で歩き始めた。
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