魔物はいつになく弱かったの件
第357話
「そろそろ魔物の気配が近づいてきますよ」
「わかった。戦闘態勢に入るよ」
僕達はゆっくり歩いているとゴブリン達が群れをなしている。
「ゴブリンか…この辺の魔物にしては弱そうじゃのぅ」
「いや、もしかしたら見た目と違ってめちゃくちゃ強いとか?」
「いえ、あの魔物達からは微量の力しか感じません」
ロミアが言う。
「じゃあ、さっさと倒しちゃいましょう」
「うむ、もしかしたらやつらおとりかもしれん」
「え!!」
「村が危ないってことですか?」
「可能性の話じゃ、さっさと片付けるぞ」
「うぉぉぉぉぉ」
「あ、徹さんいっちゃいましたね」
「全く、カエデ追いかけろ」
「了解です!!」
ロミアとエリスはのんびりと追いかける。
「メルメルサンダーバスター」
僕はゴブリンの群れを一気に倒していく。
「あれ?これだけか」
「徹さん、先走っちゃダメですよ」
「ごめん、つい。それより魔物の匂いはないかい?」
「いや、まだ気配を感じます」
すると地面が揺れていく。
「またムカデか?」
すると地面から腕が出てきた。
「こいつ、昔倒したことがある魔物だな」
「やはり弱そうですね」
「メルメルファイヤーオール」
僕は地面から生えている腕を片っ端から消していく。
「よし、倒した。早く村に戻ろう」
僕が走り出そうすると、カエデさんが足をかける。
「うわっ!!」
僕は思わず顔面から倒れる。
「痛い。何するんですか。カエデさん」
「少し落ち着いてください徹さん」
「落ち着いてるよ」
「いいえ、落ち着いてません。村に残ってる3人もじゅうぶん強いんですから大丈夫ですよ、それにみてください。こないだ倒したゴーレムと同種類のやつがこちらに向かって来ますよ」
「な、本当だ。カエデさん協力して倒しましょう」
「いつもの徹さんに戻りましたね」
「おい、ゴーレムが来ておるぞ」
「みんなで協力して倒しましょう」
ロミアが力を溜める。
「うん、エリスさん」
「おう」
「ダブルファイヤー」
2人の炎がゴーレムを直撃する。
するとあっさりゴーレムが消滅した。
「あれ?」
「こないだのとは違う種類だったか…」
「それにしても辺ですね。魔物が弱すぎます」
「まぁ、手こずるよりはいいけど」
「とりあえず、村に戻ろうかのぅ」
「そうしましょう」
僕たちは急いで村に戻った。
「よお、早かったな」
「あれ?無事だ」
「何言ってるの?」
「いや、今僕達が倒した魔物があまりにも弱くてもしかしてこっちに強い魔物が来てるかもしれないって」
「長いわね、大丈夫。来てないわよ」
「そっか、それならよかった」
「「!!!」」
僕とカエデとロミアが異変に気付く。
「どうしたの?」
「何か強い魔物が向かってくる」
「あれ?そういえばダイヤさんは?」
「ああ、あそこで拗ねてる」
「お前は何をやっておるのじゃ?」
「だってチーム分けの時私だけ呼ばれなかった」
「すまん、完全に忘れてた」
「正直かよ!!」
「もうこうなったら今からくる魔物をぎったんぎったんにぶちのめしてやるんだからー」
「まぁちょうどいいか」
「罪な人ね」
「うるさい、貧乳」
「うるさい、ちび」
エリスと未来がいつものケンカを始める。
「ちょっと村人が呆れてますからここはいいところを見せないと」
「そういうことだ、ダイヤ頼んだぞ」
まったくこの人は…
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