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かないませんの件

第318話


モクモクと煙があがる。


「よし、効いたはずだ」


「さすが兄貴だぜって…兄貴」

マッドンのお腹に光るソードのようなものが刺さっている。


「が、ぐはぁ」


「弱いですね。ホッドンの術の方がまだましでしたよ」

ロミアの右手から光のソードが放出されている。


「どうしますか?横がいいですか?縦がいいですか?」


「おい、聞かれてるぜ。兄貴?」


「い、いや。どう考えても答えちゃいけないやつだろ」


「早くしてください。どっちですか」


「ほら、兄貴。早く」


「いや、お前気づけよ」


「何がだよ、質問に答えないところっ」


「黙っててください」


ミッドンの首がごろりと落ちる。

ロミアの左てからもソードが出ていた。


「ろ、ロミア様。どうかお許しください」


「だめです、許しません。私の仲間を罠にかけた罪は重いです」


「仲間…ロミア様はいつから人間と戯れるようになられたのですか…貴方は魔王の娘ですよ」


「わかっています。さぁどっちがいいですか?」


「わ、わかってねぇ!!」


「もう、いいや」

ロミアは左手のソードを使い十字にマッドンを切り裂く


「手応えなし…」


「人間と戯れるか…」


魔王は今の私をみてどう思うのだろうか…

どうも思わないか。あったら容赦なく殺してくるのだろう。

ロミアは月を眺める。



「遅いですねぇ、ロミアちゃん」


「まだ、20分も経っていないし。もう終わったみたいだぞ」


「え、そうなんですか?」


「ああ、微少ながらロミアの力を感じた」


「ほほぅ、じゃあ後は帰ってくるのを待つだけですね」


「そうじゃな」


「微少って、その後やられたとかじゃないわよね?」


「ロミアに限ってそれはないだろう」


前方から走ってくる音が聞こえる。


「な、何か来ましたよ」

カエデは刀を構える。


「みなさーん、倒しましたよー」


ロミアがニコニコしながら両手に魔物の首を持って走ってきた。


「うげっ」

カエデが思わず刀を落とす。


「モザイクだ、モザイクをかけろ」


「ロミアちゃん、それ持ってこないで」


「え、倒した証拠を持ってきたつもりだったんですが」


「いいから、早く消滅させい」


「は、はい」

ロミアはブラックホールを出して2つの首を入れる。


「ふぅ、大丈夫かな?規制に引っ掛からないかな?」


「ギリギリね」


「敵は強かったですか?ロミアちゃん」


「いえ、ホッドンの方がよっぽど強かったです」


「しかし、兄弟全員ブラックホールに入れられるとは不憫なものじゃのぅ」


「でも、これでスライムは減っていくと思います、もし人間がスライムにされていたら術者がいなくなったので今頃術が解けているはずですから」


「そうなんだ、よかったよ」


「はい」


「とりあえずこれで手を拭いて」

僕はタオルをロミアに渡す。


「ありがとうございます」


「じゃあ、次の目的地にそろそろ行きましょうよ。2人とも力は回復したの?」


「僕はまぁまぁかな」


「私はまだまだだから球体君で休んでおるわ」


「ほんとかよ」

未来が疑いの眼差しを向ける。


「ほんどだ、私は疲れてるのじゃ」


「ふーん」


「まぁまぁ、じゃあ次の目的地に行きましょう、ダイヤさん。どこか目的地ありますか?」


「うん、確かこの先に村があった気がするなー、そこ行ってみようか?」


「そうしましょう」


「でも、最近の魔物はやっぱり強いですね、村人も無事かわかりませんね」


「いつになく真面目ね。カエデ」


「はい、私最近戦ってないような気がしてちょっと自信が…」


「大丈夫だよ、君は強いよ」


「ありがとうございます。がんばります」

(ロミアちゃんが戻ってきた時、気づかず刀を向けてしまった…私は大丈夫なのかな)


「徹、カエデの様子が変よ」


「食べ物出してみようか?」


「カエデさん、見てください。焼き鳥ですよ」


「ありがとうございます。今は食欲ないので大丈夫です」


「!!!」


「確かに変だな」


「しばらく様子を見ときましょう」


「そうだね」


こうして、僕たちはまた次の目的地に向かった。



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