呪いの主はなかなか現れないの件
第305話
「よし、できたぜ。未来」
ヒデリが謎の機械を未来スライムにつける。
「なんかしゃべってみろよ」
「あー、すごい喋れてる」
「さすがだね、ヒデリさん」
「えっへん。どんなもんだい」
「じゃあ、これでしばらくだいじょうぶですね。よかったですね。未来さん」
「いや、良くないわよ。早く人間になりたい」
「そうは言っても呪いの主が現れないのですよ」
「とりあえず、次の村に行こう。途中で現れるかも知れないし」
「そうだねー」
「何も現れないどころか、魔物の気配もしないですねぇ」
「仕方あるまい、このまま次の村に行くぞ」
「でもこれからスライムが現れてもむやみに攻撃できねぇな。もしかしたら人間かも知れないし」
「うーむ、確かにそうだな。これはいかんな」
「あ、大丈夫です。魔族の呪いなら私が力を感じれるので」
ロミアがおどおどと手を上げた。
「そうか、それなら良いが」
「おーい、あそこに村がみえるよー」
「魔物の匂いがします」
「なんだと、未来をスライムにしたやつはいるのか!!」
「徹さん、落ち着いてください。呪いの魔族の気配は感じません」
「ちっ、とりあえず。あの村の魔物を殲滅しましょう」
「おい、徹落ち着け」
「落ち着いてますよ」
「ダイヤ、頼む」
「はいよー、ダイヤモンドコーティング」
僕の体がダイヤモンドで固められていく。
「何をするんですか?」
「すこし、じっとしておれ。私とカエデとロミアであの村に行ってくる」
「うっ、わかりました」
「魔物がいないのぅ」
「匂いはしてますが…、人の亡骸がありますね」
「ここも襲われたあとですね…」
「ふははははははは、現れたな人間」
「なんじゃ、お前は」
「私はシューターだ。俺の早さについてこれるかな、はっ!!」
シューターと名乗る魔族が目の前から消える。
再びシューターが現れると、エリスの剣、カエデの剣、ロミアの右手がシューターに向けられている。
「な、あ、あれ?」
「遅いぞ、お前。そうだ、倒す前に聞きたいのだが、お前らの仲間に人間をスライムに変えるやつはいるか?」
「誰がそんなこと教えるか」
「ふん!!」
シューターの右手をエリスが切断する。
「ぐぎゃぁぁぁぁぁ」
「時間は有効に使いたいのだ、さっさと教えろ」
「し、知らねぇよ」
「しつこいな」
今度は右足を切る。
「く、くそぉぉぉ。いる。いるよ。呪いを研究している。マッドンってやつがその呪いを使える」
「そうか、ご苦労だった」
エリスは容赦なく首を切断する。
「マッドン、聞いたことがありますか?ロミアちゃん」
「やっぱり私がブラックホールに吸収したホッドンの弟ですね」
「そうか、ではそいつを捕まえて呪いを解かせるか…あっ!!」
「どうしました?」
「ついでにどこにいるかも聞けばよかった…」
「そうですね…」
「まぁ、よいとりあえず、マッドンの顔はわかるか?ロミア」
「ホッドンに似てればわかるのですが」
「まぁ、いいやとりあえず、みなのもとに戻ろう」
「お、早かったねぇー」
「ああ、生存者はいなかったが魔族はいたよ」
「呪いをかけた相手もわかりました。ただどこにいるかまではわかりませんでした」
「くそ、早くみつけないと」
「あせるな、とりあえずは呪いをとく鍵が見つかっただけでもよしとしろ」
「は、はい」
「かき氷でも食べて頭を冷やしてください」
「そんな冷やし方はやだな…」
(ふっ、少しは落ち着いたようだな)
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