お城に向かいながら設定とか色々聞いてみた件
第3話
「あの、この世界ってどんな設定なんですか?」
僕はエリスさんに尋ねてみた。
「設定?ああ、この世界についてってことかな?
この世界ははるか昔から私たち人間と魔族との争いを続けている世界じゃ。でも魔族の力はかなりのものでな。我々の魔法の力だけではなかなか争いを押さえられないということだ」
「それで異世界の魔法適正のある僕らを召還したってことですか?」
エリスさんは感心した顔で僕を見る。
「そのとおりじゃ、君は本当に話が早いのぅ。お姉さんうれしいわ」
未来がムッとした声で割り込む。
「あの、まだ信じられないんですけど。今までにも私たちみたいに召還?っていうんですか。された人はいるんですか?」
「ああ、いるよ。最後は10年前だったかのぅ。その時も優秀な男でな。私も一緒に戦ったんだが…あいつはいい男だったな」
エリスさんの顔はなんだか寂しそうだった。
「だったって、過去形ですけどその人はどうしたんですか?」
「元の世界に戻ったよ、多分君達が元々いた世界に。でもこっちでの記憶はすべてなくなるけどな、あ、あと万が一ここで死ぬようなことがあったら元の世界にも戻れないから注意してくれ」
「なんだよそれ、おれたちはただの捨てゴマじゃねぇか」
福原がどなった。
「まあ、私たちも悪いとは思っている。でも君たちの世界は、私達よりもはるかにすぐれた人間が多いんだ。もちろん、協力できないなら、そのまま還すから安心してくれ」
エリスは苦い顔で答える。
還れる。そう聞いて二人は安心したようだ。でも僕は違う。
「あの、なんでエリスさんには僕たちの言葉がわかるんですか?あと僕たちもエリスさんの言葉がわかるし」
エリスさんは少し考える。
「うーんよくわからないんだが、まぁ君の言葉を借りるならそういう設定なんじゃないか」
「なるほど」
「いや、納得すんなし」
福原のつっこみは無視した。
それよりいつ城につくんだ。
オタクの僕にはそろそろ体力の限界が…するとエリスさんが立ち止まった。
「さて、諸君。ここがわが、ラングレンの国だ、そして、あそこが城だ」
何だかざっくりした説明だな。
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