狭い狭いの件
第290話
「ぬおー、でかくなっていきます」
ホワイトスライムがどんどんでかくなる。
「カエデさん」
カエデがスライムに押しこまれる。
「痛い、痛い。狭い。狭い」
「カエデ!!」
(しまった、身動きが取れない)
「ダークネスバスター」
ポヨン
ロミアの技が跳ね返ってきた。
「危ない!!」
「く、苦しい。息が…仕方ない」
「はぁぁぁぁぁぁ」
カエデの力が一気に上がる。
地面がグラグラと揺れる。
「おお、なんじゃ。地震か?」
「これはカエデさんの力じゃないですか?」
「相変わらずすげぇな。でもこのままだとここが崩れそうだぜ」
「いかんな。さっさとここから脱出せんと、ミンチにはなりたくない」
「とりあえず、カエデさんの力を感じるところに向かいましょう」
「そうだな」
僕たちは急いで力の方に向かう。
カエデの力が爆発的に上がった影響でホワイトスライムが爆散した。
「ふぅ、何とかなりましたね」
すると爆散したスライムが集まって行く。
「なんと、また復活するきですか」
「ダークネスフラッシュ」
ロミアがバラバラになっているスライムめがけて拡散したビームを出す。
スライムはジュッと焼けていく。
「おお、塵も残さずやりますね。ロミアちゃん」
「ええ、まぁ」
ロミアは思わず苦い顔をする。
「ちょっと、向こうからホワイトスライムが沢山来るわよ」
「大福に見えてかわいいのに…」
「仕方ありません。私が魔法を使うので、未来さんはフィールドを張ってください」
「わかったわ、カエデも私後ろに」
「ラジャーです」
「ダークネスバーニングストーム」
ホワイトスライムの群れはどんどんと消滅していく。
「おいおい、また地響きだぜ。あいつら派手にやり過ぎじゃね?」
「それほど強い相手なのかもしれないね」
「いや、あの3人そういうの考えなさそうじゃな。特に大福娘は」
「…」
「確かに」
「でもここも行き止まりだぜ」
「やっぱり、エリスさんがさっきまで挟まってたところが先に進める道なのかなぁ」
「そうだな、戻るか」
「もう挟まるのはいやじゃぞ」
「着きましたね」
「姉さん小さくなれるんなら通れるだろ」
「いや、私だけ通ってもなぁ」
「たしかにあたいたちも行かないと意味ないよな」
「強力な魔法をぶちこんでみようか、エリスさんバリアを張ってください」
「それよりもこのダイナマイト使おうぜ」
「お前、そんなの持ってたのか」
「さっき作った」
「じゃあ、爆発に巻き込まれないように僕とエリスさんでバリアを張りましょう」
「そうじゃな、ではメカ子頼むぞ」
「あいよ」
ヒデリはエリスさんが挟まっていた隙間にダイナマイトを張り付ける。
「よし、あとはこのスイッチを押せば爆発するぜ」
「よし、徹。バリアをはるぞ」
「了解です」
「じゃあ、行くぜ。ポチっとな」
ダイナマイトは強烈な爆発を起こす。
「ぬぉぉぉぉ、メカ子。火力を間違えただろ」
「やべぇ、思ってたんと違う」
「すごい地響きですね」
「徹たちかしら?」
「そうかもしれませんね。あの人たち無理しそうだし」
「あんたもじゅうぶん無理してたわよ。カエデ」
「そうですか?照れるなぁ」
「誉めてないわよ」
「でも、だいぶ近づいてきた気がしますね」
「そうね、この道を進んでいきましょう」
「げほっ」
みんな大丈夫か?
「ああ、なんとか」
「大丈夫です」
「ぷっなんじゃお前ら頭がクルクルじゃぞ」
「あねさんもな」
「ぬおー。なんじゃこのギャグ漫画みたいな髪型は」
「ギャグ漫画なら次のページには戻ってますよ」
「う、うむ。では先を急ごう」
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