なかなか合流できませんの件
第288話
「まだか、メカ子」
「固くてなかなか入らねぇんだよ、先っぽしか入らねぇ。ドリル君があればなぁ」
「やれやれ、どうしようか」
僕は魔物が襲ってこないか警戒する。
向こうのメンバーは大丈夫かなぁ
「だぁぁ、こうなったらドリル君を一から作るか」
「それまで私はこのままか?」
「もう無理やり引っこ抜こう」
「そうだな、徹右足持て」
「よし、じゃあヒデリさんは左足を」
「せーの」
「痛い、痛い、痛い」
「だめだ。抜けない」
「もう一回やろう」
「せーの」
「やめてくれぇ、死んでしまうー」
「あーあ、こんなに役にたたないのもつまらないなぁ」
カエデがぼやく。
「たまにはいいじゃない。休みなさいよ」
「そうです、カエデさんは働きすぎなのです、私ががんばります」
ロミアがふんふんと鼻息荒く言う。
「わ、わかりました。私は後方から支援しますね」
「はぁ、徹大丈夫かなぁ」
「心配なのはわかりますが、残りの2人も入れてあげてください」
カエデが珍しく呆れた顔をしている。
「そういえば、おふたりは恋人同士なんですか」
「$¥$:'$[$@-;=[>」
未来が謎の言葉を発する。
「慌てすぎですよ、未来さん」
「こ、こ、こ、こけ」
「ああ、すいません。未来さん」
「でも、2人の関係は私も聞きたいですね」
「おっほん!!」
未来が咳払いをする。
「ふぅ、私たちはただの同級生よ」
「同級生って何ですか?」
「ああ、私達の世界は勉強する場所があってね。そこで一緒だったのよ。福原もね」
「へー、そんな場所があるんですね。それで2人は恋人になったのですね」
「だから恋人じゃないから」
「あ、私知ってます」
「何がですか?ロミアちゃん」
「片思いって言うんですよね」
「$'>*69"7~-$/-893=5]·」
未来が再び謎の言葉を発する。
「ああ、ロミアちゃん。また未来さんが壊れましたよ」
「はぅ、すいません。すいません。」
「へっくし!!」
「なんだよ、徹。緊張感ないぞ」
「こんな状況見せられて緊張感も何もないけどね」
「早く助けてくれ~」
「あいつらに合流してドリル君探した方が早いかなぁ」
「ドリル君がどこに落ちたのかはわからないの?」
「ああ、わかんねぇんだよなぁ、だからこうやって地味に掘るしかねぇんだよな。徹なんか魔法でできないのか?」
「うーん、試しにやってみるか、メルメルファイヤーパンチ」
僕は壁に向けて技を放つ。
ガキン。
「痛っ!!固すぎだよ。この壁」
「だろ」
「エリスさん。フレイルを召還したら無理やり隙間が空くかもですよ」
(いやだ、わたしは挟まりたくない)
「フレイルが拒んでおるぞ」
「やっぱりだめかぁ」
じゃり。
足音が聞こえる。
「未来か?」
「いや、違うぞ。魔物レーダーが反応してる」
人型か…
「こんなところに人間が居るとはな」
「なんじゃ、誰だ!!」
「あねさんは黙っててくれ」
「お前、何者だ」
「私は、アギール様の部下。ブーカだ」
名前…
「ん?まさかお前らがアギール様を…」
「いや、僕たちじゃないけど。いや僕たちと言われれば僕たちか」
「よくわからんが、死ねぃ」
ブーカは剣を振りかざす。
「うわ!!」
僕は剣で受け止める。
くそ、ここじゃあ戦いにくい。
「メルメルファイヤー」
「効かぬわ。そんな技」
くそ、本気で戦えない…
お読みいただいてありがとうございます。ブックマークや、評価いただけるとうれしいです。




