森を抜けたらレジスタンスに襲われたと思ったら仲間に両断された件
第28話
「やっと抜けましたね。あそこにみえるのが次の村ですね」僕はまた魔物と戦うのかと準備に入った。
「徹様、なんだか魔物ではない殺気を感じます」
「気づいたか、おはぎ娘。どうやらレジスタンスのようだな」
「レジスタンス?それって人間ってことですよね?なんで私たちを狙ってるんですか?」
「前にエリスさんが言ってた、城の中と外の人間同士の摩擦ってことですね。」
「そうだ、あやつらも外で魔物たちと戦ってきたものたちだ、ちょっと面倒じゃな」
「話し合いはできないんですか?今は人間同士で争ってる場合じゃないんだから」未来は強気にでる。
すると未来にむけて銃弾のようなものが飛んできた。僕はすぐさま障壁で未来を守る。
「どうやら、力を見せつけるしかないようですね。」
僕はメルルンの詠唱を唱えることなく、目の前にある崖を魔法で粉々に粉砕した。
「彼女が狙われてマジになったか」
エリスさんはニヤリと笑う。
「殺すなよ」
「わかってます。手加減はしませんけどね」
僕は無数の光の矢を出した。
「いけ、僕らに殺気を向けてる奴らを排除しろ」
光の矢は四方八方に飛んでいく。
「おい、殺すなといってるだろ」
エリスさんは思わず慌てる。
周辺からうめき声やらがきこえ、僕らを狙っていたレジスタンスたちが落っこちてきた。
「お?死んでいない」
「この光の矢は敵を見つけたらロープに変わるようにしたんですよ。僕は彼らを捕まえただけです」
(平然と言ったがこれだけの数を軽く捕まえるとは…)
「縛っといてなんですが、やはり話し合いがいいと思うんですよ」
「説得力がないのう」
「あの、あなた達はなんで僕らを狙うんですか?」
「お前ら城の中でぬくぬくやってたやつらに魔王なんて倒せねえんだよ。だからてめえら邪魔するんじゃねぇ」
リーダー格の男が言った。
「僕の力をみせましたよね?はっきり言ってあなたたちが1000人いようと10000人いようと僕にはかないません。むしろ邪魔なのはあなたたちですよ。」
その瞬間、僕の身体は横に両断された。
「え?」
なにが起こったのか全く理解できなかった。しかし目の前には刀を持ったエリスさんが…僕の意識は消えた。
「私の名前はエリス、エリス・クロード。ラングレン王国の騎士団長だ。仲間の非礼を許してほしい」
「とおる、とおるぅ」
未来が泣き叫ぶ。
「あんたが、あのエリスか。しかし何も殺さなくても」
「一歩間違えていたらこいつはお主たちを殺していた。力による支配は魔族とかわらん」
「それに殺してはいない。未来。アレクに教わった。リバイブの魔法を使え。それを使えば復活するから」
「エリスさん、私まだその魔法教わってないんですよぉ」
涙ながらに未来は言う。
「え、マジ」
エリスは沈黙する。
「…仕方がない。お主たち目をつぶれ、絶対に開けてはならん。開けたものは死ぬぞ。」
みな、エリスの言ってることに困惑してたが、ただならぬ雰囲気のため従うしかなかった。
「徹、目が覚めたら説教だ」
エリスはそういいながら禍々しい力を増幅していく。
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