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グラングランの町で食事を楽しむの件

第274話


「驚いた、こんな飯まで出せるなんて」

ガータイはビックリしながらもガツガツと食べる。


「皆さんも遠慮しないでどんどん食べてください」


町の人達も食事に手をつけ始めた。


「相変わらず、おいひいでふね」

カエデはすでに大量に食べている。


「カエデをみてると食欲がなくなるわ」


「それより、あの怪我人まだ目を覚まさないね」


「まぁ、起きるまでそっとしときましょう」


「それでこれからどうするのじゃ」

エリスがガータイに聞く。


「えっ?」


「この町は確かにいいところではあるが、周辺の魔物は強力だ、いつまでもここにいるのは危険ではないか?」


「あそこで寝ている、ホーソイが元気になれば何とかこの町を守ることは出来ると思う」


「うむ、確かにお主もなかなかの力を持っているのは確かだ。しかし、問題なのは怪我を治せるものがいないことだ」


「うっ、確かにそうですね」


「ここにいる人達で素質がある人いないの?」


「そうじゃのう」

エリスは町人を見渡す。


「ふむ、この坊やが魔法力が少しありそうだな」

エリスが5歳くらいの男の子を膝に乗っける。


「ぼ、僕が?」


「うむ、坊や。お主は鍛えれば簡単な回復魔法は使えるかもしれん」


「じゃあ僕やるよ」


「いや、可能性の話だし、そうそう魔法なんて覚えることはできないのだよ」


「そうなの」


「期待させてすまんな」


「じゃあ、やっぱり俺とホーソイで怪我をしないように頑張るしかねぇな」


「もし、この町を諦められるなら私達の国で保護も出来る。そこでお主たちは力を磨くこともできるし、坊やに回復魔法を教えられる者もおるが…」


「うう」

ガータイは町の皆を見渡す。


「ここには俺たちの思い出が沢山詰まっているから、なかなか…」


「気持ちはわかるよ」


「だけどよ、これ以上。食料調達だったり、死人が出たらもとも子もないんじゃないの」

ヒデリが口を挟んだ。


(私が言いにくいことを言ってくれて助かるのぅ)


「そ、そうだな。皆はどうする?」


すると1人の女性が話始めた。


「とりあえず、ホーソイが目を覚まして意見を聞きたいのですが」


「そ、そうだな。あいつの意見を聞いて決めよう」


「わかった、私の国はお主たちを迎え入れることに反対はない」


「あの、あなたの国はどこなんですか?」

先程の女性がエリスさんに問う。


「ああ、そういえば言ってなかったな、私はラングレン王国の近衛騎士団長エリス・クロードだ。つまりラングレン王国で保護すると言うことだ」


「え、エリス様?あの?でもどうみても10歳くらいの女の子にしか見えませんが」


「これは若返りの魔法を使っているからだ」

説明がめんどくさくなったんだな…


「ラングレン王国なら安心ではあるな」


町の人たちが安堵し始める。


早く起きないかな。ホーソイさん。


「あれ?ヒデリさんは」


「外でパーツ集めしてるって」


「あんまり目立った行動してないといいけど」


「う、うう」


「ホーソイ、ホーソイが起きそうよ」


「すごい、ちゃんと回復してるんだな。お嬢ちゃん凄いんだなぁ」


「信用してなかったんですか?」


「いやいや、ずっと弱ってたから誰にも治せないと思ってたからよ」


「う、うう。お腹空いた」


「えっ」


「傷が治った、そして俺はお腹がすいた」


「ホーソイ元のホーソイだ」


「あの、ホーソイさん。良かったらこちらの食事を食べてください」


「誰だかわからないけど、ありがとう。早速頂くよ」


ホーソイさんはさっきまで怪我人とは思えない程ガツガツと食事を食べ始めた。


「負けてられませんね、私ももっと食べます」


「いやいや、競わなくていいから」

僕は急いで料理を提供する。


「ホーソイ」


「なんだ、ガータイ」


「実はラングレン王国の方が我々を保護してくれるとのことなんだが…」


ホーソイさんは食べる手を止めた。


「つまりこの町から出ていくということか」


「衣食住は約束してもらっている、その分国の役に立つ仕事はしないとだが、俺はこのままここに残るより良いと思うんだ。お前の意見を聞きたい」


「うん、いいんじゃないか」


「あっさりですね」


「だって、俺たち2人で守りきるのは限界があったからな、こうやって国の人達が来たのはそうしろっていう神のお告げなんだろう」


「ホーソイもこう言っていることだし、みんないいな」

町の人たちはうなずく。

「よし、では私は国に連絡をするからもう少し待っておれ」

エリスは外に出ていった。

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