雪国の村に着きましたの件
第267話
「よし、みんな着きましたよ」
「さすがに寒いわね」
「そうですね、へくち」
ロミアがくしゃみをした。
「魔嬢、大丈夫か?この鼻水すいとる君つかうか?」
ヒデリが謎の機械を出した。
「いえ、大丈夫です」
ロミアが警戒する。
「それより生き残りの人達を探そうぜ」
「うん、そうだね」
僕たちは各小屋を探した
「ダメだ、こっちには誰もいなかった」
「こっちもよ」
「あたいの方もいなかった」
「くそ、全滅か」
「これだけ寒いからどこかに避難したのかも知れませんよ」
球体君2号から声が聞こえる。
「どうだろう、元々ここで生まれた人が寒さで避難はないと思うけど」
ガサガサと物音が聞こえる。
「何かがいる…」
僕は剣を構える。
「だ、誰ですか?」
女の子の声が聞こえる。
「き、君はこの村の子?」
「は、はい。そうです」
「他に人はいないの?」
「…」
「ちっひでぇな」
福原が拳を握る
「き、昨日。魔族がきてみんなさらわれてしまいました、私はお父さんが隠し部屋に放り込んでくれて何とか助かったんです」
「そうだったのか…とりあえず暖かいものでも食べて」
僕はコーンスープを出す。
「あ、ありがとうございます」
まだ10歳くらいかかわいそうに。
「よし、あたいたちでさらわれた人たちを助けに行こうぜ」
「でもどこに連れ去られたのかわからないしな」
「おい、カエデあんた匂いでわからねぇか?」
「ずみまぜん、ざむぐでばながづまっでまず」
カエデが球体君から顔を出した。
「しかたねぇ、あたいの魔物レーダーで」
「え、大丈夫なの、ヒデリさん」
「ああ、心配すんなって。前より制度を上げたからよ」
ほんとかなぁ…
「パーティーを分散させるぞ」
エリスが球体君から飛び出してきた。
「えっ」
「そこには私と徹とメカ子の三人で行く、残りはその子を守っていろ」
「ちょっと3人で大丈夫なの?」
「私と徹は炎の魔法が使えるし、メカ子も炎の機械があるからむしろ良いだろう」
「よっしゃあ、この子のボディガードはまかせろ」
「私も頑張って守ります」
「わかったわ、じゃあ気をつけてね」
「未来、そっちも気をつけて。もしかしたら魔物が襲ってくるかも知れないから」
「う、うん。ありがとう」
未来は頬を赤くする。
「寒いの?」
僕は暖房器具を魔法で出した。
「ほんと、未来がかわいそうになってきたよ。あたい」
「仕方ない、あいつの鈍感さは救いようがない」
こうして僕たちはヒデリさんの魔物センサーを頼りに村人の救出に向かった。
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