徹VSガレミーの件
第265話
なんだろう、違和感を感じる。
あのガレミーの魔力は大したことがない気がする…
「ちょっとエリスさん。徹に任せて大丈夫なの?」
「大丈夫だろ、あいつ強いし、それに…」
「それに何よ」
「まぁ、二人の戦いを見てればわかるよ」
エリスは答えを言わない。
「もう、なんなのよ」
「若造よ、お前から来るがよい」
「よし、遠慮なく行かせてもらうぞ」
僕は力を一気に上げる。
「な、なんだと」
ガレミーが驚く。
「やっぱりな」
エリスが呟く。
「何がやっぱりなのよ、いやガレミーだっけ?あいつの魔力は大したことがない」
「え、そうなの?」
「ああ、どうせ魔物たちを従えてあぐらをかいてたから力も弱まったのだろう」
「バーニング斬」
ガレミーの右腕がふっとぶ。
やっぱりこいつ弱いぞ…いや油断は禁物だ。
「ま、負けだ。我の負けだ。命だけは助けてくれ」
「えっ」
「いくらなんでも弱すぎじゃない」
未来が言う。
「どうしましょう、エリスさん」
「どうと言っても、倒すしかなかろう」
「うう、抵抗あるなぁ」
「油断したな小僧」
ガレミーが剣を僕に向けて突き刺す。
「徹!!」
「やっぱり、卑怯ものか」
突き刺された徹はふわっと消える。
「な、なんだと」
「今のはメルメルシャドーだ」
僕は手に光を溜める。
「や、やめろぉ」
「くらえ、メルメルバスター」
「ぎゃああああ」
ガレミーは消し飛ぶ。
「ボスがこんなだとは思いませんでしたよ」
僕は呆れてしまった。
「うむ、仮にもグレミーの親父だと思うと残念だな、あいつは卑怯ものではなかったし」
エリスは不満そうに言う。
「なんだか、途中の魔物の方が強かったですね」
「ほんとうね」
「カエデさん、この城にはもう魔物の匂いはない?」
「そうですね、もう感じませんね」
「じゃあ出ましょうか」
「そうしましょう」
僕たちは城から出た。
「よし、この城壊しますよ」
「えっ」
僕の突然の提案にエリスさんが驚いた。
「また、魔物がここに住んでしまうかもしれませんから」
「そうじゃな」
「よっしゃ、あたいがミサイルで破壊しようか?」
「いや、僕がやるよ。新技を試したいんだ」
「そうか、残念だな」
「行くぞ、メルメルバーニング岩石落とし」
僕は空中に炎の岩石を出して、城にそのまま落とす。
城は木っ端微塵に崩れ落ちる。
「よし、新技成功だ」
「徹、なかなか良い技だのぅ」
「ええ、かなり力は使いますけど。それに個人戦には向きませんね」
「そうじゃの」
「じゃあ、次の目的地に行くとしますか」
僕たちはまた次の目的地に向かうことになった。
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