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風神解放の件

第258話


カエデは動かない…


「ぬぬ、風神が目覚めないでござる」


「なんじゃと」


「どうすれば目覚めるんですか?」


「札をはがせば目覚めるはずなのだが、エリス殿と同じで寝坊体質なのかもでござる」


「私はそんなことはないわ」


「そんなことあるでしょ」

未来がツッコミを入れる


すると、カエデの体からものすごい力が溢れる。


「おお、目覚めたようじゃな」


「我の封印を解くとは何事だ」


カエデの体から女性が出てきた。


「だ、誰この人」


「風神様、ご無沙汰しているでござる」


「お主ハヤテか久しぶりだな、お前が封印を解いたのか」


「はい、実はカエデが魔物の呪いに侵されておりまして」


「おお、そのようだな。それで私の封印を解いたのか」


「そうでござる、風神様の力で呪いを解いてほしいでござるよ」


「構わないが、私の封印が解けた時点でこの娘の潜在能力が解放されているから私の役目はないぞ」


「えっ」


「えっじゃない。そもそもこの娘の力を封印するために私の力を使っていたんだから、私が解放されたらそうなるだろ」


「そ、そうでござったな」


「あとはこの娘が自分の潜在能力に体が持つかということだ」


「つまり、どういうことなの?」

未来が頭に?マークをいっぱいにして聞く。


「こないだもハヤテがいったじゃろ、基本は我々はドラゴンや神の加護を受けて力をあげる。私だったらフレイルだな、ただし、カエデの場合は力が強すぎるため、風神が逆にカエデの力を抑えるために力を使ってくれているのだ。だから風神がそれをやめたらカエデの真の力が解放される。それに耐えられるかだよ」


カエデの体内から力がどんどんと涌き出てくる。


「しかしこんな力があるとは、もつかな?」


「どうだろうねぇ、もしダメなら私がまた力を抑えるけど」

風神が言う。


「でもそれだと呪いは解けないんですよね」


「カエデを信じましょう」


カエデがゆっくりと立ち上がる。


「さて、こないだのロミアと同じことになりそうだな」


「はぁぁぁぁぁぁぁ」


宙に浮いて力をものすごい力を放出する。


「みんな、離れろ。危険じゃー」


「エリス、ハヤテ、我に任せろ」

風神がカエデの前に立つ。


「風神よ、お主が封印するのか?」


「封印はしない、久しぶりに戦おうかね」


「お主、それが目的か」


「ちがうよ、この娘のために働いてやるんだよ」


「なんだか、変わった神様ですね」


「戦いが好きなんだよ。風神は」


「我々は暫く遠くで見守るでござるよ」


風神は力を上げる


「すごい力だ」


「そりゃ、そうだあのバカみたいなカエデの力を抑えてるんだから、神が人の力を抑えるなんて異様だよ。なぁ、なにも言わなかったハヤテよ」


「そ、そうでござるな」


「それより戦いが始まりそうよ」


「さて、娘。行くぞ」

風神は戦闘態勢に入った。



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