グレンの港につく前に野宿することになった件
第22話
「なんだかすっかり暗くなりましたね。港まではまだなんですか?」
「そうだな、明日には到着するであろう。今日は野宿だな。」
「え、野宿こんな何もないところで寝るの」
未来は絶望していた。
「まって、未来。僕の魔法ならもしかしたら」
僕は頭の中でイメージを膨らませた。
ポンっとテントと寝袋、キャンプ道具が一式出てきた。
「おお、徹すごいな。」
「ああ、僕はRPGに、必要なものならいくらでもイメージできるからね」
思わぬ形で僕の魔法が役にたった。
「そしたら、おれのパンツもだしてくれよ、ブーメラン型の」
「おまえ、もう完全にボディービルダーだな」
ふと、未来も下着がほしいのではないのかと考えて思わず未来をみた。
「ばか、デリカシーのないやつ。ちゃんとお城から持ってきてるわよ。ばかばか。」
(僕はまだなにも言ってないのに。やっぱり三次元の女は難しい)
「エリスさんとカエデさんは何かほしいものありますか?」
「私は別に大丈夫だ」
「私はおはぎが食べたいです」
また、空腹で暴走しても困るから僕はおはぎを出した。
「そういえば、この国、以外と僕らの世界と共通の食べ物があるんですね。
」
「ああ、それは10年前に召還した。お主たちの国の者が村に行ってはいろんな料理を伝授してたからそれが広がったのだろう」
10年前の召喚者はサラリーマンなのか料理人だったのか。謎は深まるばかりだ。まぁ別にいいか。
とりあえず、ぼくらはキャンプ道具を用意しておはぎを食べた。
そして各自眠ることになった。
寝てる間は僕とエリスさん、福原が交代で見張りをすることになった。
がエリスさんは爆睡していたので結局僕と福原で見張りをすることになった。
見張りをしていると福原が声をかけてきた
「なぁ、徹。俺たちのおこってることは本当に現実なのかな?もしかしたらみんなで夢をみてるのかも知れないって思ったりもするんだ」
「僕もそう考えていたよ。でももし夢だとしても、僕は今結構楽しいよ。不謹慎かもしないけど」
「そうか、実は俺もワクワクしてるんだ。
なぁ、徹。」
福原はなんだか複雑な顔をしていた。
「なんだ?」
「向こうの世界では悪かったな、色々とさ。もし向こうの世界に戻れたら俺たち友達になれないかな」
福原からそんな言葉が出るとは思わなかった。目頭が熱くなった。
「ああ、絶対に戻って一緒に楽しい高校生活を送ろう」
僕と福原は拳を合わせた。
テントの中でその会話をきいていた未来はうれしそうに微笑んだ。
んごー、エリスさんのイビキがよく響く。
もし、少しでも興味を持って貰えたらブックマークと☆の評価をいただければ嬉しいです




