機嫌の悪いエリスの件
第209話
僕たちはカエデさんが嗅ぎ付けた、魔族の集落を一つ潰した。
「カエデ、あと何ヵ所くらいある」
「は、はい多分四ヶ所はあります」
「ロミアちゃん、エリスさん怖いですよぉ」
小声でロミアに泣きつく。
「仕方ないわよ、人助けしてるのに、悪者扱いでしょ、実際やってらんないわよ」
「ほんとだよなぁ、あたいならほっといて次の目的地にいくけどなー」
「何が正解なのか、僕にもわからないな」
「人を助けるのに理由が必要か?」
エリスさんに聞こえていたらしい。
「…」
僕たちは思わず黙ってしまった。
ふぅ、エリスはため息をつく。
「ヒデリ。私もお前くらいの年齢だったらおそらくあの村の人間たちなど放っておいて、自分達でなんとかすればいいって思うだろう」
「え。は、はい」
「だが、どんな事情はあれ、人が死んでいくのは見たくないし、助けられる人を助けないのは嫌なのじゃ。言うてしまえば自己満足に過ぎない」
「…」
「だから、私はあの村の周辺の魔族をできるだけ倒して次の目的地に行きたい、だからお主たちは先に次の目的地に行っててもよいぞ、あとから必ず合流するから」
「すまなかった、あねさん。あたいガキだったよ。たしかにあいつらにはムカついたけど、あそこにはまだ小さい子供たちもいるみたいだったし、見殺しにはあたいもしたくない」
「僕も同じです」
「俺もだ」
「私も自分の発言を訂正するわ、悪者でもいいから人助けはしたい」
「お前たち…」
「エリスさん、もちろん私もですよ、それに私がいないと魔族の集落を見つけるのは難しいですからね」
「ふっ、そうだな。カエデ」
「ロミアはどうする」
「魔族が人を殺めるのは私も見たくありません、同行します」
「そうか…」
エリスは下を向いた。
泣いているのかな…
「では、あとの四ヶ所は任せたぞ」
エリスは球体君に入っていった。
「はぁ、何よ。この怠け者は」
「まぁまぁ」
(主よいい仲間を持ちましたな)
(うるさいジジイ、久しぶりに話したと思ったら)
(フッ)
(笑うな、阿呆。いい仲間なのは私が一番知っておるわ)
エリスは鼻をこすりながらフレイルに話す
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