灯台には魔物がいっぱいの件
第207話
「そういやさ、なんかことわざあったよな、灯台」
ヒデリが言う。
「ああ、あるよ」
「そうだ、東大デモクラシーだ」
「ちがう、ちがう。灯台もと暗しだよ」
「徹が私のツッコミの役目を奪ってる」
未来がブツブツ言っている。
「魔物が来ましたよ」
狼型だ
「ヒデリさん、ミサイルはダメだよ」
「あいよ」
福原とカエデさんも戦闘に加わる。
戦闘はあっさり終わる。
「あっけなかったね」
「でもまだ魔物の匂いがしますよ」
「とりあえず、上に向かっていこうか」
僕たちは灯台の頂上を目指す。
次はゴーレムが現れた。
「風神烈風斬」
ゴーレムはバラバラになる。
「こないだのゴーレムよりは弱いですね」
「お、お次はスライムだぞ」
「マッスルガドリング」
スライムは倒されていく。
「お、再生もしないな」
「うーむ」
「どうしたの怠け者」
「なんだか、魔物が弱すぎるなぁと」
「確かにそうよね、何でかしら」
「ゲームで言うと、本来レベルが低い時にいく場所に今さら来ちゃったって感じかも知れませんよ」
僕は早口で言う
「そう言うもんなの?」
「うーむ」
「とりあえず、頂上目指しましょうや」
ヒデリが言う。
頂上に向かうまでに魔物は現れたがやっぱりそこまで強くなかった。
「うーむ」
「うるさいわよ、怠け者」
「おい、みんな。気を付けろ、頂上のボスは多分強いぞ」
「えっどう言うことですか?」
「我々の存在に気づいて、私たちが倒してきた魔物の力を自分に集めているんだと思う」
「じゃあ、かなり強いんじゃねぇか?」
僕たちは頂上に着いた。
そこには人型の魔族が待っていた。
「ふはははは、待っていたぞ、人間」
「皆のもの、気を付けろよ」
「あんたも戦いなさいよ」
「こないだ、戦ったじゃろ」
「みんなで戦ったほうがいいんじゃないの?」
「あのー、ふたりとも」
「なんじゃ、大福娘邪魔するな」
「いや、ボス倒し終えたんですけど」
「えっ?」
「えっ?」
「やっぱり、本来レベルの低いときに行くダンジョンだったんですよ」
僕は自信満々に言う。
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