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くノ一はキレると怖い件

第20話


「カエデさーん」

僕らは急いで未来が指示した方角に向かった。もしかしたらもう…そんな不安がよぎりながらぼくはただひたすら走った。


目的地についた。僕は愕然とした。

魔物達が全滅していた。

そこにはカエデさんが立っていた。

ふしゅーふしゅーと呼吸なのかなんなのか口から出ていた。カエデさんはこっちを向いた、ヤバい目がいってる。

刀を手にして僕に襲いかかってきた。


「わわ、カエデさん、なにやってんですか?」

僕は魔法障壁を出して攻撃をはじく。


「私にまかせて、ウルトラリング」

未来がワッカ状の光線をだしてカエデさんの体をつつみ動きをとめる。


「よし、動きがとまった」


「ううう、うがぁぁぁぁ」

カエデさんは気合いでそれを破った。

「ええー」


「魔族に乗っ取られたのか…もしそうであればここで葬ってやるのがよい。」

エリスさんが言った。


「え、そんな、そんなことって」


「お主らが出来ぬなら私がやる、下がっていろ」

エリスさんの顔は本気だ。右手にはすでに炎がやどる。


「またれよ!!エリス殿!!」

ハヤテさんがもの凄いスピードで現れた。

「ハヤテか、止めても無駄だぞ、ああなっては助ける術はない」


「いや、違うでござる、カエデは魔族にのっとられてはいない」


「どういうことですか?ハヤテさん」


「カエデは一度キレると力が爆発的にあがるのですが、そのかわり見境をなくすのです。なので普段はキレないように気をつけていたのでござる」


「大事なことは、はよ言わんかい、で治す方法はあるのか」


「すまぬ、エリス殿。これを渡せば元に戻るでござる」

ごそごそとハヤテさんは何かを取り出した。


「ほらカエデ、 梅干だぞ。」

ハヤテさんは梅干しをカエデさんの口めがけて放り投げる。


口に含んだカエデさんはピタリと動きが止まった。すると


「あれ?私どうかしてましたか?皆さんお揃いで。私まだ狼煙あげてませんよ」


「覚えていないんですか?」

僕は足元を指差す


「わー、魔物の死骸がこんなに沢山!!いったい誰が!!」


「おい、ハヤテ。飛んでもない娘をよこしてくれたな」


「もうしわけない、しかし戦力としては申し分ないと思われますぞ」


「あの、ハヤテさん。その梅干したくさんもらっていいですか。あと、カエデさんがキレる原因ってなんですか?」


「予備の梅干しは沢山あるからいくらでも持っていってくだされ、しかし徹殿も魔法で梅干しくらい出せるのではないか?」


そういわれてみると攻撃魔法ばかり考えてて物をだすという発想はなかったな。


「よし、メルメルメルメル梅干しさん、こんにちは」すると僕の手から梅干しがたくさん出てきた。


「おお、こんなこともできるなんて知らなかった」

こんなことならあのお姫様に漫画のひとつでも出してあげればよかったな…


「その感じなら食糧の面も問題なさそうでござるな。カエデはお腹が好きすぎるとキレて暴走するので、徹殿の魔法でお腹を満たしてあげてくだされ」


キレた理由ってそれかい。魔物がなんだかあわれに思えた。


「ハヤテさん、どうやらここらの魔物は滅んだようですね。念のためこの巣を消滅させます」


「メルメルメルメルバーニングファイヤー」

僕は広範囲の炎の魔法で巣をまるごと焼き払った。


「すごいでござるな。これでしばらくはわが村も安心でござる。」



「では、ハヤテよ。ここでお別れだな。せいぜい赤子に嫌われないパパになるのだぞ。」


「御意。カエデのことよろしく頼むでござる、カエデ、精進するのだぞ」


「はい、親方様。必ずや皆様のお役にたってみせます」


「あ、そうだ。ハヤテ。魔物の巣も破壊したし、カエデの面倒もみるんだから金をよこせ」


時が止まった。カツアゲじゃねーか。


ハヤテさんはふっと笑った。

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