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大人エリス見参の件

第183話


「ふう、やれやれ」


ふきとばされた壁から出てきたエリスさん?


「エリスさん?」


「久しぶりに本気を出してやるよ」


「おお、その姿、エリス・クロード」


「えええ、何で戻ってるんですか?」


「ああ、そうか徹は知らないのか、エリスさん本気だすと、その間だけ皇女の魔法を上回って大人モードに戻るのよ」


「そんな都合よく装備まで…」


「何を期待してたのよ、変態」


「いや、何にもないよ」


「さて、どうする、ドラゴンよ」


「どうするも何も貴様を殺してやる」


「そうか、では私がお前より先に殺してやるよ」


エリスは右手をかざす。


「消え失せろ、メギド」

凄まじい炎がドラゴンを飲み込む。


エリスの後ろにいた僕たちは爆風で吹き飛ばされた。


洞窟の天井にも穴が空いた。

「す、すごい。あのドラゴンを一瞬で…」


「少しは手加減しなさいよ」


「ふん、やつを倒すにはこのくらいの本気を出さんと無理だからな」


「久しぶりにみました、その姿」


「この間もなったが、その時はお前の暴走を止めたときだったな」


「そ、そうでしたか」


「あれがあの英雄エリス・クロードか、サイン貰いてぇ」

ヒデリは呑気に言う。


「相変わらず凄まじいですね、ねぇロミアちゃん。ロミアちゃん?」


「あ、はい。そうですね。かっこいいだす」


「だす?」


(凄い力だわ、さすがエリス・クロード)


「おーい、ロミアちゃん」


「は、はい」


「なんか様子が変ですよ」


「いや、びっくりしちゃって」


「あのドラゴン殺したんですか」


「ふっふっふ、見るがいいこれを」


岩石の塊だ。


「これがやつの本体だ」

「さぁ、どうする?完全に消滅するか?それとも私たちに協力するか?選ぶがいい」


「もう台詞が悪役じゃない」


「わ、わかった、お主たちに協力させてください」


「ふん、よいだろう。ではうちには契約できるやつがおらんから必要な時があったら呼び出すからいつでも出てこれるようにしとくがいい」


「わ、わかりました」


「メカ子、とりあえずお前が持っていろ。パーツにはするなよ」


「わ、わかりました」


久しぶりの大人エリスさんはやはり英雄の風格が凄かった。


やっぱりこの人はすごい。

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