迷路のような洞窟の件
第181話
「よし、瓦礫も取れたし中に入ろうぜ」
「ホントに迷わないようにできるんですか?ヒデリさん」
「おう、ちゃんとあたいのメカが道を覚えていくから大丈夫だ」
「へー、さすがですねぇ」
「じゃあ、エリスさん、未来、ロミアちゃん行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい」
ヒデリが肩からライトを出して、洞窟の中を照らす。
本当に便利だな。
「おお、あそこの壁をみろよ」
壁には鉱石のようなものがついている。
「早速回収だ」
アームが伸びてせっせと回収していく。
「そういえば、カエデさん、魔物の気配は感じますか?」
「そういわれてみればないですね」
「じゃあ、ヒデリにとってはまさに宝の山だな」
「いやぁ、こいつはいいや」
どんどん回収していく。
「そんなに回収したら重くなって帰れないんじゃないの?」
「あたいの背中のパーツ回収くんの中にいれると分解されて勝手にミサイルやら外装の強化に変わっていくんだよ」
「す、すごい機能だね」
「そうか?あたいは普通だと思ってたけど」
「こんな技術、僕らの世界にはないよ、すごい、チートだ」
「なんですか、チートって美味しいんですか」
「ある意味美味しい」
「えー、私も欲しいです」
「なんだか、話しについていけねぇな」
福原が不思議な顔で言う。
「とにかく、ここはあたいにとっちゃ素敵な場所ってことだよ、どんどんいこうぜ」
どんどん進んでいくけど、ほんとにちゃんと帰れるのかなぁ。
「徹さんこの鉱石きれいですよ、未来さんにあげたらどうですか?」
「え、未来に?なんで?」
「もう、ほんとに鈍感男ですね、ねぇマッスルさん」
「ああ、徹にそこを求めるのは無理だぜ、カエデ」
「何を言ってるんだ?2人とも」
「未来さん、大変ですねぇ。これは」
「あれ行き止まりだぞ」
「なんかあるぞ、マッスルハンマーで壊してくれよ」
「よっしゃあ、マッスルハンマー」
福原は謎の塊めがけてハンマーを振り落とす。
バキッ謎の塊にヒビがはいった。
「よっしゃあもう一撃」
「まった、福原」
「なんだよ、徹」
「何か光ってる」
「ほ、ほんとだ、なんだこれ?卵か?」
そのころ外にいたエリスがぼけーっとしていた。
「また怠けてる」
「あーーーーー」
「な、何よ、どうしたの」
「忘れておった、この洞窟は」
「何々、何なのよ」
「昔、私が封印した、強力なドラゴンがいるんだった、てへ」
「てへ、じゃないわよ。どうするのよ」
「いや、そう簡単に破れないと思うが」
「あ、あのエリス様、洞窟から強大な力が発せられてます」
「破れたか…」
「ちょっと、どうすんのよ」
「や、やつらに任せるしかないな…」
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