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エリスとエンラの件

「うおりゃぁぁ」


「強い、強いぜ、あねさん」


「はっはっは、まだまだだな。筋肉くん」

二人は腕相撲をしていた。


「エリスさん、もしかして互角って腕相撲でですか?」


「そうじゃ、結局決着はつかなかったけどな」


「そうなんですね」

僕は村の人たちに食事を提供しながら聞いた。


「エンラさんは、一緒に戦いはなかったんですか?」


「ああ、あいつはこの村を守るために私たちとは一緒にこなかったよ」


「まぁ、それじゃあ今回も無理ですね」

「そうだな、まぁ元々誘う気はなかったけどな」


「え、そうなんですか」


「だってこれ以上個性派は…な」


僕は納得した。


その後僕たちは村人と楽しく食事をした。


「隣いいか」


「もう座っとるではないか」


「元気そうでよかったよ、ちびにはなっちまったけどな」

ガハハとエンラは笑う。


「うるさいのぅ、それでどうなんだ?」


「どうって何がよ」


「お前ももう、アラサーだろう、このまま一人で戦い続けるのは厳しいのではないか」

「おい、ちびになったけど同い年だろ。エリス」


「まぁ、そうだけど、私は魔法がメインだからあまり年齢は関係ない、でーずランドの魔物を討伐しなかった理由は一人では厳しいと判断したからかと思ってな」


「痛いところをつくな。そのとおりだよ。だいぶ体力が落ちたな。だから、村に来る魔物を都度都度倒すのが限界さ」


「そうか、ラングレンに保護を頼むか?」


「いや、大丈夫だよ、でーずの方はお前たちが倒してくれたからしばらくは大丈夫だろ」

バンバンとエリスの背中を叩く。


「痛い、痛い」


「このバカちからめ、このちからならまだまだ大丈夫だな」


「あとさ」

もじもじとエンラがし始めた。

「なんじゃ?」


「旦那ができたんだ」


「ほぉ、めでたいな。どんなやつじゃ」


「あそこにいる、身長が高い」


「あのひょろ長いゴボウみたいなやつか」


「お前、人の旦那だぞ」


「悪意はない」


「なおさら、ラングレンに保護を」


「いや、ここの村人は、この村に愛着があるからなかなか難しいよ、私が戦えるまではここにいたい」


「そうか、無理になった時はいつでも言うのだぞ」


「あいよ、しかし今回のメンバーはずいぶん若いな」

「10年前は私たちもあのくらいだったぞ」


「サバ読むなよ、私たちは18だったろ、もう少し若そうだ」


「ちょっとくらいサバ読んでもよかろう」


「まだまだ、若い連中だからな。やつらにこの世界を背負わせるのには正直申し訳ないと思ってる」


「お前も年とったな、昔のエリスだったらそんなこと言わなかったのに」


「うるさいなぁ」

エリスは苦い顔をする


「大丈夫だろ、あの若い奴ら力も精神もなかなかしっかりしてるじゃねぇか」


「私にはそういうのよくわからないから、お前がそう言うなら大丈夫なのかな」


「エリスさん、エンラさん、食べ物なくなっちゃいますよー」

徹が声をかける。


「よし、昔話も終わりにして、私たちも食べようぜ、エリス」


「そうだな」


「あっ」


「なんだよ」


「足がしびれたからだっこしてくれ~」


「怠け者は変わらないね、あんた」

エンラはニヤリと笑う。

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