昔の仲間にあった件
第17話
「あ、エリスさんあそこに村が見えますよ。」どうやら次の目的地のようだが…
なんだか変だ。
「エリスさんあそこの村普通に人々が暮らしてるようです」
「そうか、さすがはハヤテだな、この5年間守り抜いてくれているのか」
ハヤテ?だれのことかはわからないがどうやら次の村には魔物はいなそうだ。
村に足を踏み入れたとたん、忍者の格好をした集団に一斉にかこまれた、
「貴様らなにやつだ」
「なんなんだ、こいつらマッスルパワーでやっつけてやる。」
「またぬか、マッスル。お主ら剣を納めよ。我はラングレン王国近衛騎士団長のエリスだ。この村にいるハヤテにようがあって参った」
「エリス?あんなちびっこが」
ざわざわと忍者達は顔を合わせる。
「エリスさん、信じてもらえてませんよ」
「うーむ、どうしたものか。よし10年前のハヤテの恥ずかしい話を大声でしてやろう。ハヤテは戦の途中でー」
「またれよ!!」
いつのまにか目の前にまわりの忍者達とはオーラの違う忍者が現れた。
「お主、本当にエリス殿なのか?」
「おお、ハヤテ久しぶりだなぁ。わけあって私はこんな姿だが、信じられないのであれば先程の続きを話そうか」
一体エリスさんは彼の何を握っているのだろう。
「わかった、その感じは間違いなくエリス殿だ、信じるでござる。それで後ろにいるものたちは?」
「うむ、彼らは姫に召還されし選ばれたものたちだ。」
「姫に…ということはいよいよ魔族に対して戦いを挑むということでござるか」
「そうだ、それでお主の力を借りたいのだ」
「そうでござったか。しかしエリス殿まことに心苦しいのだが、共に参ることはできぬ」
「なんでですか?あなたは10年前にエリスさんと共に戦った英雄なんですよね」
僕は思わず口をはさんだ。
ハヤテさんは後ろをちらりとみた。
そこには赤ん坊をだいた女性がいた。
「そうか、お主にも守るべき者ができたのだな」エリスさんはにこりと笑う。
「そういうことなら仕方がない。」
「かたじけない。エリス殿、それと一つお願いがあるのだがよろしいか」
「なんじゃ?」
「この村から少し進んだところに魔物達の巣がある、もしよければそちらの討伐を手伝ってもらえぬか?そこまでは拙者も共に戦おう」
エリスさんは僕らの方をむいた。誰も反対はしない。すると
「やだ、ハヤテとなんか一緒に行きたくない。さっき私の誘いことわったじゃん」
時が止まった。なんて子供なんだ。いやたしかに今は見た目は子供だけど
「え、エリスさん。そんな大人げないですよ」
「徹はだまっておれ、ハヤテ、私はお前と一緒に戦う気はない。だからお主はここで子守りでもしておれ。その代わり、お主の弟子を1人私に預けろ」
ふっとハヤテさんは笑った
「御意、では拙者はここでおとなしくしているでござる。では私の一番弟子のカエデをつれていってくだされ。カエデよいな?」
「わ、私がですか」
カエデと呼ばれた忍者は動揺してた。よくみると女の子だ。くノ一ってことなのかな。
「エリス殿、カエデは少々ドジなところもあるが拙者の優秀な弟子でござる、どうかよろしく頼む」
「おう、まかせておけ。魔王を倒した暁にはお主の赤子と沢山遊ばせてもらうぞ」
ふたりは見つめあい。にこりと笑った。僕らにはわからない信頼関係があるのだろう。
「じゃあ、早速魔物の巣に行きましょう、カエデさん、道案内をお願いします」
「は、はい。がんばります。」
「なんで、徹の回りには女の子があつまるのよ」
未来は小声で何かを言っていた。
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