敵の城に襲撃をかける件(前編)
第158話
「あそこか、大きい城ですね」
「うむ、夜になったら攻めるぞ」
「なんで、夜なの」
「夜の方が魔物たちも油断してるだろ」
「なんだか卑怯ね」
「何を言う、立派な作戦だぞ、こっちは只でさえ人数が少ないのだから、夜襲が一番じゃ」
「でも、まだ朝ですよ。ここでずっと夜になるまで待つんですか?」
「いいじゃないですか、BBQしましょう、さあ、徹さん」
「いや、目立つことはやめた方が」
「なんだかめんどくさくなってきたのぅ、今から行くか」
「ちょっと作戦はどうしたのよ」
「まぁまぁ、ちょっと離れたところで待機しようぜ」
福原にしてはまともなこと言った。
「さあ、徹さん」
「はいはい」
僕はBBQセットを出した。
「匂いで魔物がくるんじゃない?」
「それならそれで戦うしかないよ」
僕は諦めたように言う。
「はぁ、そうね。私も肉ちょうだい」
未来も諦めることを覚えたか。
「エリスさん、あそこの城は元々人が住んでたんですか?」
「いや、あれは最初から魔族の城だ。一度は魔族が滅んで誰もいなくなったんだがな」
「あの城は魔王の別荘でした」
ロミアが言った。
「そうなんだ、じゃあ城内のことはよく知ってるの?」
「いえ、私は行ったことがないので」
「もしかして、魔王と鉢合わせなんてことはないわよね」
「強力な魔力は感じないので大丈夫だと思います、あのその玉ねぎください」
僕はロミアに玉ねぎを取ってあげる。
「夜行性の魔物だったらどうするんです?」
「その時はしかたない、普通に戦うしかない」
もう作戦ってなんなんだろうか。
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