サンダードラゴンに出会うがイメージと違う件
第147話
「最深部まで着きますよ」
「いやじゃなぁ」
「そんなに強いの」
「いや、戦わなくてもいいんじゃないの」
僕は思わず言う。
「そっか、また他のドラゴンと同じで協力をして貰えばいいのか」
「いやじゃなぁ」
「着きましたよ」
そこにいたのは大きなテーブルと大きな椅子に姿勢正しく座っているドラゴンがいた。
手にはナイフとフォークかお上品に食べ物を口に運ぶ。といっても食べてるのは魔物だが。
ドラゴンがこちらに気づいた。
「おや、お客様でしたか、失礼致しました。私ったら食事に夢中で」
「…」
「おや、そちらにいらっしゃるのはエリス様ではありませんか?」
「ち、ちがう、私はただの幼女じゃ」
「姿は変わってもその体から発する力は間違いなくエリス様です。嘘は行けませんよ」
「うぅ」
「とうとう、私の愛に答えてくれるのですね」
「違うわ、それに私はもうフレイルと契約を結んでおる」
「なんと、またあの野蛮なドラゴンと契約したのですか、ああなんと嘆かわしい」
「野蛮とは失礼だ、若輩者のドラゴンが」
エリスさんの手からフレイルが顔だけ出して言う。
「ああ、その声。聞きたくないです」
「あ、あのー。エリスさんちょっと流れがわかりません」
「はぁ、ここがお前の巣だと気づいていたのに入った私のミスじゃあ」
「こやつは、昔私が倒したのだ。それ以降私と契約を結んでほしいとしつこくてな、ただ当時も私はフレイルと契約をしていたから、あ、ドラゴンとの契約は1人につき1体と決まっておるのでな」
「そうだったんですね」
「エリス様、その老ドラゴンとの契約を辞めて私と愛の契りを」
「私はこやつのキャラが苦手なのだ」
「また、そうやって言って焦らすんだから、エリス様ったら」
キャラ濃いわー
「とにかく、私はフレイルとの契約を解除するきはないから、でもお主の力は確かに有能だから、結べるとしたらこいつだ」
エリスさんが僕を指差す。
「え、僕」
「しかたないだろう、マッスルとカエデは魔法が使えないからな」
「私がこの少年と愛の契りを結べて言うのですか」
「表現が悪いんだよ、おまえは」
「絶対に嫌です。どうしてもというのなら少年、私を倒してみなさい。そうしたら契りを結びましょう」
「ちょっと、勝手に話を進めないでください」
「徹さん、がんばってくださーい」
みんなはいつの間にか岩影に隠れている。
「く、くそう。なんでこんなことに…」
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