村の若者に稽古をつけた件
第132話
「あそこにいるのが今頑張っておる、ベンダーです、ベンダー、この方がお前を鍛えてくれるそうじゃ」
ベンダーと呼ばれた若者がこちらを見る。
「あ、あのベンダーです。よろしくお願いします」
ベンダーは福原に向かって挨拶した。
「俺じゃねえんだ、魔法を使えるのはこいつだ」
福原は僕に指をさす。
ベンダーは不安そうに僕を見つめる。
「よし、ちょっと魔法をみせてあげるよ」
少し驚かしてやるか…
「メルメルファイヤー」
僕は空に魔法を放つ。
ベンダーの目はキラキラしていた。
「すごい、すごいですよ、ただの引きこもりオタクかと思ってました」
ひどい…当たってるけどさ
「君の魔法を見せてくれないか」
「はい、ファイヤー」
そこまで、強くないが鍛えれば何とかなりそうか?
よく考えたらどうやって鍛えればいいのかな。
とりあえず、エリスさんにやられた…やってもらった指導をしてみるか。
「いやぁ~いい湯だった、お、徹のやつは何をやっているのだ」
「ああ、あの娘に稽古をつけてるんだ」
「徹が?」
未来が驚いている。
「そういやよ、カエデちゃん」
「何ですか?」
元にもどったカエデが聞く
「ここの村人は魔物の匂いはしないよな?」
「ええ、大丈夫です。皆さんちゃんとした人間ですよ」
「そうか、よかったぜ」
「で、うしろの嬢ちゃんはどうしたよ」
ロミアがボーッとしていた。
「温泉でのぼせたのよ」
そうか、じゃあ次は俺が入るかな。




