蟻地獄にはまったの件
第113話
「だはー、もうだめじゃー」
エリスがぐったりしている。
「もう、まだ20分も歩いてないわよ」
「僕ももうだめかも」
「そうじゃろ、そうじゃろ」
砂漠地帯がこんなに辛いとは
「みんな、水分摂取は忘れるなよ、脱水症状が一番怖いからな」
いつのまにか体育教師みたいになったな福原
「ロミアちゃん、そのローブは外していいんじゃないですか?さすがに暑いし」
「でも、角が見えちゃうし」
「そこはこの変装道具で」
ごそごそとカエデは胸に手を入れる。
カエデが取り出したのはディ○○ーのあの有名なネズミの耳だ。
「どあほー」
未来のツッコミが炸裂する。
「とりあえず、徹。麦わら帽子でも出してあげたら」
なんだかやけっぱちだな
「よし、ロミアちゃん。これをかぶって」
僕は麦わら帽子を渡す。
「なんとか角はかくれましたね」
嬉しそうにロミアが笑う
すると、僕らの足元がいきなり、沈んでいく。
「うわわわわ」
僕らは砂に埋もれていく。
「やばい、なんだこりゃ」
「おい、中心に何かいるぞ」
「蟻地獄…みたいな魔物だな」
「それよりも、すいこまれてしまうぞー」
蟻地獄のような魔物は口をあけて僕らが落ちてくるのをまっている。
「やばい、落ち着け、メルメルファイヤー」
魔物が土の中に潜って隠れる。
「バカもの、ただでさえ、暑いのに炎の魔法を使うな」
「すいません、ならば、メルメルアイス」
僕は砂漠地帯をすべて氷付けにした。
「す、すごいわ。徹」
「魔物も凍っちゃいましたね」
「よし、マッスルパワーで砕いておこう」
福原が魔物にとどめをさす。
「あばばばばば、さむい、さむいぞ、バカもの~」
このわがままな英雄…少し黙っててくれ
お読みいただいてありがとうございます。ブックマークや、評価いただけるとうれしいです。




