メルルンをみたかったのに不思議な光に飲み込まれた件
第1話
僕の名前は藤原徹。高校三年生だ。
毎日毎日退屈な学校生活を送っている。
そんな僕の楽しみは家に帰ってから「魔法戦士メルルン」のアニメをみることだ。
早く学校終わらないかな。
この際テロリストでもやって来て学校を爆発でもしてくれないかな。まぁ、もちろん僕は逃げるけど。
そんなことを考えていると今日の授業が終わった。
「藤原くん、今日アニマイトにいかない?」
こいつは僕のオタク仲間の山田だ。
「ごめん、今日はこれからメルルンをぶっ通しでみるという契約があるんだ」
僕はどや顔で言う。
「そうか、それならしかたないね」
山田はメガネを光らせる。
さすがオタク仲間理解が早くてよろしい。
さてとさっさと帰ろう。帰りにコンビニによってお菓子と飲み物を買って万全な体勢でメルルンに臨もう。
待っててくれ。メルルン。
コンビニに寄ろうとしたところで後ろから嫌な声が聞こえる。
「おい、藤原。コンビニ行くなら俺にもなんかおごってくれよ」
こいつはうちのクラスのヤンキー。いわゆるカースト上位の男だ。
「えっと、福原くん。なんで僕が君に奢らないといけないのかな?」
僕は福原の方を振り向かずに言う。
福原はいつもこんなかんじでカースト下位の連中から金を巻き上げている。こんなやつ車に轢かれて死ねばいいのに。
「おいおい、藤原君。てめえそんなこと言っていいのか?」
福原がすごむ。
するとまた後ろから声が聞こえた。
「ちょっと、福原。またかつあげ?いいかげんにしなさいよ」
声の主は僕の幼稚園からの幼馴染みの相原未来だ。こういってはなんだが美人で男子からは人気がある。貧乳なのが残念だが。
まぁ僕は二次元にしか興味がないからどーでもいいんだけど。
未来はちょくちょく僕がオタク街道まっしぐらなことが気に入らないのかよく口出しをしてくる。
まぁでも今は助かった。
「徹もなんか言い返しなさいよ。あんたオタクが全面にでなければそれなりにまともな顔もしてて、もっとクラスに馴染めるのに。そうすればこんなバカにかつあげなんかされないのに」
「ちっ、また相原かよ。別にかつあげなんかしてねぇよ、てか、藤原のこと褒めすぎじゃね?」
僕は黙った。早くメルルンが観たい。
「うそつかないでよ、まったくあんたはいつもいつも」
早く終わんないかな。僕にはメルルンが待っているのに。
そんな揉め事に巻き込まれていると突如僕たちの足元が光始めた。
「え?なんだこの光」
「なんだこれ、おい藤原おまえの仕業か?」
「そんなわけないでしょ、バカ」
それぞれ声を発していると僕たちは光に飲み込まれた。体感的には吸い込まれる感じだった。
僕は叫んだ。
「メルルーン」
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