表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/17

サイボーグわんちゃん Part12

その日から僕はしばらく一人で外に遊びに行けなくなった。ぼくが危ない目にあったことで、お父さんとお母さんはちょっとケンカをしてしまったみたいだった。お父さんはぼくに外で元気よく遊んでほしいからって、一人で外に行くのを喜んでくれていた。でもお母さんは、ぼくが危ない目にあわないように誰か大人の人と一緒にどこかに行くようにしないとダメだって思っていたみたい。車にひかれそうになっちゃって、お母さんは自分の考えが正しくってお父さんが間違ってたってお父さんに怒った。お父さんはちょっとしゅんとなって、いつも大きな肩がその日はとても小さかった。でも、お父さんはやっぱりぼくに自由に遊んでほしいらしくって、それがお母さんはぷりぷりしていた。ぼくはお父さんが言ってるみたいに、一人で好きに外に遊びに行く方が好きだし、一人で外に遊びに行ってはいけないって聞いたときに大声で泣いてしまった。

泣いてしまったぼくを見てお母さんとお父さんは困ってしまったみたいだった。

「シュンスケが悪いわけじゃないの」

お母さんはとてもやさしい声で言った。

「今回は大丈夫だったけど、やっぱり一人は危ないから。しばらく我慢してね」

「でも、アイがいるよ」

ぼくの言葉にお母さんはとお父さんはしばらく顔を見合わせて、くすっと笑った。

「アイは、うん、そうだね、すごく頼りになるけど、人の言葉はあんまりわからないし、シュンスケを助けられるわけじゃないから」

「でも、アイがぼくの代わりに車にぶつかってくれたんだよ?」

お父さんとお母さんはまた顔を見合わせた。そのあと二人でアイを見る。アイはぶんぶんとしっぽをふって、とても遊んでほしいみたいだった。

「そうなんだ。アイはとてもすごいね。でも、次も助けてくれるとは限らないよ。それに、代わってもらうような危ない目にあわないようにしたいんだ。アイも代わりに車にぶつかったら、とっても痛いと思うしね」

そのとおりだと思った。ぼくが危ない目にあうたびにアイが代わってくれて、それでアイが痛いと感じちゃうのはぼくには嫌だった。ぼくは悲しかったけれども、うんうんとうなずいて、しばらく一人で外に出ないようにお母さんとお父さんに約束した。

お父さんとお母さんはいつのまにか仲直りしていたみたいだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ