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第6話.ボス戦

 そして一時間ほど経ったころである。


 ついに拓哉たちは最深部へとたどり着く。


 益田拓也

 レベル12

 HP382

 LP128

 右手:ニューナンブ式リボルバー

 左手:エクスナイトカリバー+エリカ


 と、レベルも12まであがる。


「……室長。この先がこのダンジョンのボスってことですよね」

 そこには巨大な扉があった。秋菜が言うにはこの先にダンジョンのボスが存在しているそうだ。


「だ、だ、大丈夫でしょうか。心配ですぅ。でもでもたくやくん、強いですよね。これならボスのドラゴンだって余裕☆ですよっ!」


「……幽霊、この先のボスのこと知ってるのか?」

 怪訝そうに秋菜は言う。


「ん? あれ。わからないです……」


 そう言ってエリカはきょとんと首をかしげる。人間だったころの記憶が混在しているのだろうか。


 まあドラゴンだろうがなんだろうが、戦うだけだ。


 そして、拓也は最後の扉を開く。


 その先、現れたのは体長50メートルを超える巨大な竜だった。


 赤い双翼をはためかせ、叫び声をとどろかせる。


「で、でかすぎだろ……」


「わたしは手出しはせんぞ。だが、こんなところで負けるようじゃあ、困るからな」


「わかりました……」


「そうそう。困っちゃいますよー!」

 とまねしたように口をすぼめる。


「エリカ……。戦うからエクスナイトカリバーに宿ってくれ」


「ラジャー! 承知しました」


 するとエリカの体が輝いたかと思うとエクスナイトカリバーに吸い込まれるように消え、そして刀身が輝く。

 このようにエリカをエクスナイトカリバーに戻すことで剣の威力が倍加させることができるのである。


「行くぞ、エリカ!」


 左手で剣を握りしめ、右手に拳銃を抜きながら、拓也は竜に向かう。


 まずは魔力を右手に握る拳銃にこめて、一閃。閃光が竜に向かって射出される。


 弾丸は竜の額を正確に捉える。爆発音とともに竜の体をのけぞらせるが、しかし、それでとまる。


「か、かてえな……」


 火竜。レベル58


 このダンジョン出てきたモンスターたちはせいぜいで20から30レベル程度だったので文字通り格が違う相手だ。


 そのまま竜の懐に向かって駆ける。


「ぐおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


 竜は咆哮をあげながら、巨大なつめを拓也に向かって振り下ろす。


「っっ!」

 すんでのところで拓也は地面をけってそれをかわす。


 空中にとんだ拓也に対して、竜は炎を思いっきり吐き散らす。


「くそっ」

 拓也は剣に魔力をこめる。


 光り輝く刀剣が向かってくる炎を切り裂く。そしてそのまま炎にまみれながら、右手を竜に向かって掲げる。


 一瞬からだが光り輝いて、魔力が拳銃にこもる。そしてうちはなつ。炎を切り裂いてすすむ弾丸は竜の口内を突き進み、体内で爆発を起こす。


「グロおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


 悲鳴を轟かせながら、竜は暴れまわる。向かってくるつめを、尾を、翼を避けながら、さらに拓也は竜の懐に入り込む。そして、その腹。巨大なうろこによって保護されていない唯一の弱点地帯にやわらかい感触。そこに直接銃口を当てる。


「終わりだ」

 そして引き金を引く。


 爆発するような光があふれながら竜の体を吹き飛ばす。


 が、破裂して血を撒き散らせながらも竜は双翼をはためかせて空に飛ぶ。


 そのまま飛び向かった竜は空中で旋回。拓也に向かってまっすぐに突進してくる。


「速い、けどっ!」

 かわせないスピードではない。


 拓也は地面をけって向かってくる竜をかわす、が。


 通過する一瞬、竜の口元がゆがむ。


「なっ!」

 竜は思いっきり体をよじって地面を削りながら、軌道を変える。拓也に向かって。


「あの、スピードで……く」


 だが拓也は空中に飛んでいる。このままではぶつかる。


「拓也っ!!!」

 秋菜の悲鳴がとどろく。


「っ!」

 が、拓也は拳銃に魔力をこめるとそれを撃つ。竜ではなく、空間に向かって。


 その瞬間、反動で拓也の体が飛ぶ。


「ぎりぎり……か」


 体をかすりながら、ドラゴンは拓也の横を通過する。


「連射、だっ!」


 魔力をこめることで弾丸を自動リロードする。拳銃内の時間をとめ、同時間内で5発の弾丸を射出する。5弾は旋回しながらまじりあい、巨大な光になって竜を後方から襲う。


「ぐろろろろおぉおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオオっ!」


 最後の咆哮をあげて、竜は地面へと落ちる。


「拓也……本当に勝てるとは、な」


「室長。それ、どういう意味ですか」


「いや、前回は5人の職員を連れてようやく対処できたくらいだったんだけど、ね」

 そう言って笑いながらためいきをつく。


「当然です。拓哉君には、わたしもついていますしね!

 そう言ってエリカが剣から顔を出す。


「まあほとんどエクスナイトカリバーつかってないけど」

「ふええっ!」


 ショックを受けたのかエリカは涙目になっている。


「よし。まあ君も疲れただろう。いったん村へ戻ろうか」


 そう言って秋菜は紫色に輝く宝石を取り出す。


「転移石だ。これでマッピングした任意の場所に飛ぶことができるんだ」


  その瞬間二人の体が光で包まれる。




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