図書委員長
遅くなってしまってすみません!
「あ、あの……榛原君?聞いてほしいことがあるの……」
と言われた俺は、少しばかりボーッとしてた。
「あのっわ、私を助けるって……」
凄く恥ずかしくなってきた。多分俺は今タコのように赤面だろう。
それは廻音さんもだった。
「あっ、いや!あ、あの時は……ごめん!」
とっさに謝ってしまった。
「いや!違うの!あの……何て言うか凄く……嬉しくて……」
多分この人生で一番しあわせな一瞬だった。
「だから!そのっ……あ、ありがとうって言いたくて……」
最後あたりはモジモジしてて聞こえなかった。
この会話を最後に今日は下校した。
家に帰りつくと疲れてたのかぐっすり眠った。
≪あなたはそれでいいのよ。あなたの使命は身近な人を守ること。そのためには他の人、時には自分を切り捨ててまでも守りなさい。そうすれば必ずあなたは………………≫
はっきりな映像ではなかった。
最近この手の夢を見ることが多い。
だが、この夢はなにか不思議だ。
自分がしてる行いを見透かしてるかのように助言をしている。
今日は不思議な事だらけだった。
まず、登校中にいきなりおばあちゃんに
「ありがとう」
と言われたり、
先生にやたら褒められたり、
クラスの女子からおすすめの本を聞かれたり。
(今日は、やたら忙しいな……)
と思いながら、放課後になっていた。
この時点で、昨日会長から言われてる事は忘れていた。
「あの……巡李君??人を探してるのだけど……」
それはクラスの女子で確か図書委員長の海司天葵だ。
「誰を探してるの?」
「阿利継善君よ!」
ん?待てよ?なんか聞いたことあるぞ……?
はっ!会長に言われてた人だ!
と思いながら
「僕も探してるんです!なんで探してるの?」
と聞いた。すると図書委員長は
「まあ、色々あってね……君なら居場所を知ってると思ったのだけど」
ん?なんで俺が?顔を見たことないんだけど……
「すみません。人違いじゃないですか?俺はそんな人知らないよ?」
なぜか図書委員長が俺を軽蔑するような顔で
「あなた!最低ね!いつもいっしょにいる人を知らないだなんて!」
思考回路はショートしました。
いつもいっしょにいる人だと?!
廻音さんしか出てこない……
無言な空間が作り出されて数十秒
俺はこいつの存在を思い出した。
「あ!あの!少年Aか!」
「しょ、少年Aかは知らないけどあなたいつも一緒にいるわよね?」
「あいつは、一緒にいるって言うより付きまとわれてる感じで……」
「そうなのね。ならいいわ時間をとってしまってすみませんね。」
そう言って図書委員長は立ち去った。
俺は、そのあと部室に向かった。
(部室に着いたぞ~今日は何するんだろうか?)
と思いながら、ドアノブに手を掛けようとしたその時、自分も阿利継善を探していたことを思い出した。
「うげっ!やべぇ……探しに行かないと……」
そう言って教室に戻った。