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強さと弱さと優しさと  作者: がーや
3/11

少年A

高校ライフ二日目に指し当たる今日はなぜか暑い

入学式直後だから夏服を着ていくこともできず、しぶしぶ暑い登校路を歩いた。

「あっちぃ…」

暑いときってやっぱり声に出ちゃうよね。多分。

何だかんだで近い学校を選んで良かったのかもしれない。

だって、5分で着くんだもの。

そして、到着したのは良いものの昨日柱にぶつかっていた時に靴箱の説明をしていたようで、何も聞いていない俺はどこにおけば良いかもわからずあたふたしていた。

「んーと榛原君だっけか?」

振り替えるとそこには昨日クラスで見た男子がいた。名前がわかんないけど…

「そうだよ~。ちょっと靴箱どこかわかんなくて…」

すると、少年Aはニコッと良い笑顔で

「昨日の榛原君最高だったぜ!」

黒歴史認定しようかなあれ。

すると続けて少年Aは続けて

「あ~靴箱は一番端!出席番号が書いてある!」

いい人やなぁ思いつつ黒歴史は水に流した。

「ありがとう!助かった!」

と言うと少年Aは

「おうよ!机吹っ飛ばすなよ!」

と言ってきた。もうやめてくれ。泣きたい。

そんなこんなで教室に到着。

この教室にはクーラーがない。辛うじて扇風機2台だけ教室の壁に貼り付けられている。

だが、風通しは凄くよく気持ちよく眠れそうだ。


農業高校とはいってもこのクラスは牛を育てたり野菜を育てたりするのではなくどっちかと言うと建築よりの授業が多い。建築系の授業は計算が多く出てくるのでこのクラスだけ計算機を使う。


教室で暑さに死んでいたら

「なんだよ~お前こんな暑さでへばってんのか??」

と少年Aが言ってきた。

あ、名前まだ聞いてないや。まあ、いいっか。

「そういうお前はどうなんだ?」

と聞くと人差し指で鼻を触りながら

「野球部の俺様に何を言うか!えっへん」

そりゃチートですわ。

「そういえば榛原は昼ごはんどうするだ?

明日まで午前中で終わりだろ?」

「家でカップ麺」

即答してやった。

「カップ麺か……どっか食いに行かね?」

こいつさらっと流しやがったと思った。人とご飯を食べにいくのは好きではないからなんか正当な理由でもつけて逃げるか……

そのとき昨日の先生の言葉がフラッシュバックした

「部活…そうだ!部活見学行くんだった!」

真っ平な嘘です。

「あ、そうか…野球部は午後練だから時間合わないよな…んじゃまたいつか食べに行くぞ!」

心の中でガッツポーズ。

だが、もうすこしで部活を決めないといけないが何も決まってない。

「んで、なに部見に行くんだ?」

やべ、なにも決めてねぇのに…なんか良い部活…部活…またも昨日の事がフラッシュバックした。

「ボランティア…ボランティア同好会!

俺、人に優しくするの好きなんだよ!」

真っ平な嘘です。すみません。

「なるほどな…がんばれな!」

これでやっとまけたぞ!落ち着いて席について帰る準備をしていたら、なんか誰かにツンツンされた。なんだ?また少年Aか?

「だからボランティア同好会に行くっていってるだ……」言葉が途中で止まった。

「榛原…君…その、私もボランティア同好会に行きたいんだけど…場所がわかんなくて…一緒に行ってくれない…かな?」

いやいやいやいやいやいや!!待て待って待って!

あれ?少年Aじゃないの?!なんで廻音さん?!しかもボランティア同好会に行きたいだと?!

「お、おう…良いけど」

と言うと廻音さんは

「ありがとう!良かった…」

その時初めて眼鏡越しで顔を見ることができた。

あれ?普通にかわいくね?

不意にもドキッとしてしまった。


どうにもこうにも少年Aに嘘で言ったボランティア同好会に行く話は本当になってしまった。


ボランティア同好会の活動場所は部活棟の隣のボロい建物の二階だ。とりあえずそこに向かうか。


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