動き始める
「分類不可ならどれを基準とすればいいんだ?」
「ええ、言いたい事は分かります。火の玉なら火の魔法。水の玉なら水の魔法。
じゃあ自分は?というお話ですね?」
そのとおりだ。説明分かりやすいな。
「分類不可、つまり分かりやすく言うと、『新種』というやつですね。あなたは新種なのでオリジナルです。つまり、あなたは一人しかいません。ドッペルゲンガーに会う事はないわけですね」
そうなんだ。自分はドッペルゲンガーが居ないんだな。
「殆どの人間は複数の世界に一人ずついるんですが。私もその一人です」
「君は滅ぼした世界の中にいた事はあったのか?」
「はい。5人くらいですかね?私は異常にその人数が多いんですよ」
そんな。この子を5人も殺してしまっていたのか。どうすればいいのだろう。
「そんなにも気にしないでください。そのおかげであなたに会えたんですから」
どういう事だろう?
「とある人間の能力で一番死んだ数が多い人がこの役割を担うのが定石なのです。
まぁ、私はドッペルゲンガーが多いので、よくこの役割をやっています。もうなんと32回目です」
多いな。その分だけ死んでしまっているのだろうか?
「ええ、これでもドッペルゲンガーが殺された回数では、群を抜いていますよ」
...何故ドヤ顔なのだろう?
「まぁ、そろそろ行きましょうか。
あなたが切り離したパラレルワールドを
助けに...ね?」
少し長くなってしまったが、こんな風に始まった。これで自分の贖罪が償えるとは思っていない。でも少しでも助けられるなら自分は行こう。
「カッコつけてないで早く行きましょう」
...少しくらい良いじゃないか。
やっと説明編が終わりました。
次くらいからは戦うと思います。