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春の日の君へ  作者: もちもちもち
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雪の降る町

冬が終われば春になる。

…なんて当たり前のことはみんなわかっている。

雪が解け、生き物たちは眠りから覚める。

大地は新たに呼吸をはじめ、植物は踊りだす。

そのためには、固く冷たい氷を溶かさなければいけない。

冬の脅威にさらされた硬く、冷たい塊を。

これは、心の奥深くに塊を抱えた少年が、陽だまりのような存在に出会い、

初めて経験する春の木漏れ日の中で、ゆっくり、ゆっくりと凍てついた心を暖めていく、

そんな物語である。



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