夫婦の修羅場カルタ
●監修者の言葉
人生における最大の修羅場と呼べるものは、浮気が露顕した瞬間であろう。
特に夫婦の場合に引き起こされる修羅場は、未婚カップルのそれを遥かに上回る壮絶さである。
高額の慰謝料に加えて、月々の養育費、さらには財産の差し押さえ等、浮気の露顕により人生の底を見た人間は、私を含めて多数存在することであろう。
ここに夫婦間で浮気が露顕した場合を想定してカルタを製作した意図は、浮気によって引き起こされる修羅場がいかに凄惨なものかという事実に対する注意を喚起し、一時の過ちによって一生の負債を背負い込む愚行に対する自制を促すためである。
このカルタによって男女を問わず浮気が防止できれば、これに越したことはない。
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以下は、『夫婦の修羅場カルタ』に含まれる全読み札の紹介である。
あ――あなた~ のように、
「頭の一文字」――本文 という形式になっている。
※の後に続く文章は、札につけられた寸評である。
●夫婦の修羅場カルタ 本文
あ――あなた、浮気したでしょ?
※のっけから強烈な先制パンチです。
い――い、いいや、して、ないよ。
※動揺が隠せていません。
う――嘘おっしゃい!
※もうバレているようです。
え――ええ?!
※とりあえず、驚いてみました。
お――お、落ち着こうじゃないか。
※まず、自分が落ち着きましょう。
か――隠してもムダよ。
※どうやら尻尾をつかまれているようです。
き――決めつけるなよ。
※なんとか流れを変えてみようと試みます。
く――くじけそうだ……。
※がんばってください。まだ始まったばかりです。
け――結婚しなけりゃよかった。
※後悔先立たず。
こ――このままではまずい。
※高額の慰謝料が待っています。
さ――さようなら。
※なにもかもおしまいのようです。
し――信じてくれ!
※多分、ムダな足掻きです。
す――すまなかった。
※押してもだめなら引いてみな。
せ――説明してちょうだい。
※でも、聞く耳は持ちません。
そ――そんなことありえないわ。
※やっぱり(聞く耳を)持ってくれませんでした。
た――たまらんなぁ……。
※まだまだほんの序の口です。
ち――違うんだ! 誤解なんだよ!
※ということで丸く収めたい。
つ――つまり、こういうことなんだ。
※必死に幕引きを図ります。
て――適当なことを言うんじゃありません。
※そうですね。
と――とても信じられないわ。
※最初からその気はありません。
な――何で信じてくれないんだ!
※ここいらで、一発、キレてみましょう。
に――逃げないで!
※どこまでも追ってきます。
ぬ――ぬぅ……。
※もう、呻き声しか出ません。
ね――ねぇ、提案があるんだけど。
※この後には、大抵、地獄が待っています。
の――NOOOO!!
※外国人の真似をして、現実逃避してみます
は――はっきり白黒つけましょう。。
※既に自分の勝利を確信しています。
ひ――開き直るしかない。
※「浮気して何が悪い!」……最悪の一手です。
ふ――不倫は罪よ。
※反論できません。
へ――平和だったあの頃が懐かしい……
※その日々はもう戻って来ません。
ほ――ほ~ら、ごらんなさい。
※言い訳すればするほど泥沼に嵌まっていきます。
ま――待ってくれよ!
※思い留まってくれる可能性に賭けてみます。
み――見捨てないでくれ!
※ついに泣き落としが入りました。
む――むむむ……。
※そろそろ、言い訳のネタも尽きてきました。
め――面倒なことになりそうだ。
※その予感は遠からず的中します。
も――もう駄目だ……。
※ようやく諦めがつきました。
や――やめてくれぇ!
※こんな高額の慰謝料は払えません。
ゆ――許してくれぇ!
※縋ってみます。
よ――ようやく自分の非を認めたわね。
※鬼に首を取られました。
ら――来週から他人ね。
※気持ち的にはとっくにそうでした。
り――離婚よ。
※トホホ……。
る――ルルルル~
※意味もなく、たそがれてみました。
れ――連絡先はここに書いておくわ。
※多分、連絡することは一生ないと思います。
ろ――ろくでなし!
※ごめんなさい。
わ――笑うしかない。
※ははははは。
を――男は辛いよ……
※浮気を甘く見るからです。
ん――ん~
※ん~、こんなのが終わりでいいのかな?
発売予定:なし