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チート戦線、異常あり。 作者:いちてる

4章 八重崎咲と文化祭

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文化祭 2

あけましておめでとうございます

最近思い出したんですがこの小説異能バトルモノだったんですよ
 色々と迷惑な神薙さんだったが、食べるのが早く二分しか席についていなかった。

 おかしいな、体感では一時間以上いたはずなのに。

「一樹」

 父さんが俺を呼ぶ。

「今日暇なとき、屋上に来てくれ」
「重要な話?」
「ああ。結構重要だ」

 うーん。

「午後になるがいいか?」
「大丈夫だ」
「じゃ、いいよ。気が向いたら屋上に行ってやる」

 絶対に行くとは言ってない。

「じゃあ、またその時に」

 父さんは消えた。

 多分瞬間移動だろう。

「あ、そうそう」

 二人になった神薙さんは俺を見て

「来てるぜ」
「誰が?」
「嘉神育美が」
「冗談上手いですね」

 つうかあんた何で俺の母さんの名前を知ってるんだ。

「何でもは知らないぜ。必要な事だけだ」

 何で人の心をよんでいるんだよ→地の文読んだだけというくだりを読めたので何も言わない。

 あれだけ来るなと念を打っておいたんだ。

 俺は自分の母親を信じている。

 ここで母親を信じなくて一体誰を信じるんだ。





「やっほー、一樹くん。元気してた?」
「お帰りくださいませお客様」

 神薙さんが退出しわずか三十秒後の出来事だった。

「何で来た?来るなって言わなかったか?」
「あれ、芸人が良くやる、『やるなよ絶対にやるなよ』のふりでしょ?」

 なわけ無いだろうがチビ。

「おい息子。失礼な事考えてなかった?」
「誤解でございます。申し訳ございませんが当店は小学生以下は保護者同伴ですのでパパかママを連れてご入店ください」
「ねえ。一樹くんはそんなに後で痛い目にあいたいの?」

 合いたくはない。

 ただそれ以上に俺は自分と母の関係がばれるのが嫌なだけだ。

「嘉神くん、この人は?」

 八重崎が反応。

 さてどうしたものか。

 俺の態度で身内だというのはばれているはず、変に誤魔化すのは逆に怪しまれるな。

 こうなってしまったら

「妹だ」
「ええ!?」

 すごいよな、実の母親を妹と誤魔化せる家庭は有史この嘉神家くらいだろう。

「でも髪の色」
「ああ、それね」

 母さんの髪の色は白だ。

 白髪、というか真っ白な髪。

 黒髪から色が落ちたというより、白い絵の具で塗りつぶしたと表現した方が適切な色合いだ。

「妹さんもなんか能力者なの?」
「違う。単なるアルビノ」
「アルビノ?」

 ギフト持ちは黒髪じゃない人間が多数だ。

 早苗の毛先は赤、真百合は全体が藍色、時雨は黄色、月夜さんは黄緑といった感じに。

 ただそうなってしまった社会は、何の能力の無いただの人間でも髪の色が普通でなければ能力者と断定してしまう。さっきの八重崎の様に。

だが俺の母さんはアルビノだ。

 遺伝子の突然変異や何やらで髪の毛が白くなる病気。

 髪の毛が白く目は赤いだけの非ギフトホルダー。

 アルビノは劣性遺伝の為、俺の髪の毛は父さんと同じ黒。

 親子どころか家系そのものが怪しまれる。

 母はよく髪を染めているが、今日は地毛のままで来ていた。

「言われてみれば鼻の形とかそっくりだね」
「まあな」
「ちょっとこっちは客なんだけど、妹でも何でもいいからさっさと案内してよ」

 母さんも妹としてやってくれるらしい。

「お客様、ご注文は?」
「うーん……黒髪パスタとゼリーで」
「お持ち帰りにフランクフルトはいかがでしょうか?」
「いいよ、嫌いだし」

 両親そろって嫌いなのか。

 試作の時一度食べたけど美味しかったのに。

「ではこちらに」

 なぜか真百合が席を案内した。

「どうぞ」
「ありがとね」
「いえいえ。当然のことをしたまでです」

 母に尻尾を振っている気がする。

 俺の母に何かあるのかと思ったが、余計な詮索は止めた。

 一人でゼリーを美味しそうに食べる母さんは、どう見ても小学生にしか見えなかった。





 開始から一時間が経過。

 客足は順調どころか、長蛇の列ができるほど多くなっていった。

 むしろ多すぎ。

 百人クラスで並んでいる。

 他のクラスの人たちの迷惑になるくらいに。

「やべえな」
「どうして?人が多いのはいいことでしょ?」
「まあ普通ならな。ただ八重崎、お前はお客様が何をどのくらい頼んでいるか知ってるか?」
「知らないけど」

 わずか一時間で、パスタが50、ゼリーが80、フランクフルトは30+訪問販売売れた。

 そのことを伝え

「一時間でこれだけ売れたんだ。残り三時間、四倍してみろ」
「あ!」

 八重崎は気づいたようだ。

 そう。

 足りなんだ。特にゼリーが。

 パスタは足りなくても、作れる。

 茹ででソースを搦めれば出来るお手軽だ。15分あれば作れる。

 だがゼリーは違う。

 ゼラチンを溶かしたり牛乳を入れたりかきまぜたり、何より固めたりして多くの時間がかかる。

 再び作り直すとしたら、絶対に3時間以上かかってしまう。

「八重崎の言う通り、もうちょい作るべきだったか」

 ゼリー1個に300円だから払う奴なんてそうそういないだろうと思ってたんだが、どうやら逆のようだった。

「でも、冷蔵庫占領するわけにはいかなかったんだし、仕方ないと思うんだよ」

 慰めの言葉を貰ったが、これからどうしようか。

 足りないものは…………

「ちょっと八重崎、レジ頼んだ」
「ええ?」

 俺は調理実習室に向かった。





 実習室の扉を開けると他のクラスが作っている焼きそばや丼の匂いが俺の鼻をくすぐる。

「一樹、丁度いいところに来た。このペースだと目玉ゼリーの供給が間に合わなくなるぞ」
「そのことについてちょっとやりたいことがあった」

 箱の中に入ってある目玉ゼリーに対してギフトを使う。

贋工賜杯フェイクメーカー

 ゼリーは一つから二つに。

「一樹、それは真子の」
「今その話はしない。問題はこのままいけるかだ」

 そして俺はゼリーを食う。

 大丈夫のようだ。

 ただ俺の味覚は色々と死んでいるので、違和感が無いといっても安心できない。

「ちょっと誰か食べてくれ」
「私が」

 早苗は一口。

「どうだ?」
「大丈夫のようだぞ」

 それは良かった。

「でもこれ嘉神がいれば一つ作っておけばそれでよかったんじゃね?」

 湧井が余計なことを言い出す。

「そんなことは無い。一度に増やせるのは五個くらいだし、精神力結構使うから多用も出来ない」

 後半は嘘。

 もともとあるものと同じものをコピーすればいいんだから、真百合の反辿世界リバースワールドの数十分の一ですむ。

 しかしそんなこと言ってしまったら、クラスのやる気をなくしてしまうので多用できないことにした。

「今は目玉ゼリーだけ50個増やしとく。お客様は相当数来てるから、フル稼働で頼む」

 一度では五倍しか無理だが、十回に分けてやれば何とかできるな。





 再び教室に戻る。

 八重崎はちゃんとレジ打ちをやっていた。

「悪いな。だが食料枯渇の問題はなくなったから」
「そう。よかったよ」





 これで問題が終わると思っていたが、そんなことは無かった。





 さらに一時間後、

 女子中学生四人組の集団がやってきた。

「あ、兄さんお久し振りです」

 何とその集団の一人に我が妹、式神双葉がいた。

 相変わらず中学生らしからぬプロポーションである。

 妹はギフトホルダーであるがそのギフトは知らない。

「注文の前にいいですか?」
「なんだ?」
「兄さんのおホモ達を教えてください」

 ぶった。

 グーで。

「ひどいです」
「酷いのはお前の脳味噌だ。妹よ、どこまで腐れば気が済むんだ」

 叩かれた妹を見て真百合が羨ましそうな目をしていた。

 何でだよ。

「知らないんですか?兄さんはホモなんです」
「なんでいきなりホモ扱いされた後にホモを断言されるんだよ」
「推理です。どうせ兄さん恋人いませんし、いい体してますし、そもそも恋愛に興味なさそうなんでゲイです」
「前提条件は全部あってるが、だからと言って兄をホモ扱いするのはどうかと思うんだが」

 あと、な、妹。

 ここ他人が多いので俺のことホモホモ言い出すとマジで噂が広がるから。

「彼女いたことあるし、ホモじゃないのは間違いない」
「それは昔はホモじゃないってだけで今はホモなんです」

 酷い言い分だ。

「嘉神くん、だったらわたしが恋人になれば」
「いやそんな無理しなくていいよ八重崎、俺なんかと恋人になるくらいなら、便所に住み着いているゴキブリとの子供を産んだ方がまだマシだって。八重崎はまだ若いんだから自分の人生もっと大切にした方が良いと思うな」
「…………」
「「「…………」」」
「さすがは兄さん。いつの間にか立てていたフラグも斜め上の方向で回避する。これが嘉神の血筋ですか」

 何やらよく分からないことを妹が言っている。

「そんなことより注文早くしろ。後ろつかえているんだ」
「そうでした。目玉ゼリー4つで」

 Oh, 一番嫌な頼み方。

「ではこちらに」

 八重崎が席を案内。

 俺は次の席が空くまで待機。





 ここで2つ目の問題が起きた。

 俺達が客席として使っている部屋は普段使っている2年10組の教室だ。

縦横15メートル超の至って平均的な大きさ。

 そんな教室で客を座らせるんだから入れられる人数は限られている。

 人数の超過、そのくらいは事前に考えていたが

「文化祭なう、と。そっちはゆきりん氏」
「早速一人返信きたよー」

 妹達の集団、周りを見ずにそれぞれのやりたいことをやっている。

 たった1個の注文なのに10分以上居座っている。

 しかもそれだけじゃない。

 その居座っているグループが、3団。

 内2団が女のグループだ。

 携帯を弄って中途半端に食い物を残し、自分はまだ食べているアピール。

「嘉神くん」
「分かってる。ちょっと注意してくる」

 俺が最初に注意するのは、男のグループ。

 うまく注意すれば、女のグループは勝手に出ていくだろう。

「申し訳ございません。他のお客様の迷惑になりますのでお食事なさらない場合は席を譲ってくださいませんか?」

 始めは優しく。

「ああ?見えねえのか?オレ達まだ食ってんすけど~」

 舌にピアスをつけたドМっぽい男が、何をトチ狂ったのか俺に向かってガンを飛ばしてきた。

「あ、あかん」

 なんか月夜さんが焦りだしたが無視。

「オレ達お客様なんで~むしろその態度失礼じゃ何ですかぁ」

 向こうはなぜか強気だ。

「つーわっけで~、追加で謝罪として土下座を請求しま~」

 一応俺達は店員で、そっちは客。

 しかも学校の文化祭で問題を起こしたくない。

 さらにここはギフトホルダーのクラスだというのは分かっているはず。

 ギフトによる犯罪の懲役は三倍増し(それは流石に嘘だが)だ。

だからこそ学校内で問題を起こすと内申に響く。

 以上のことから何をやろうが下手に手を出せない。

「とでも、思っているんだろうな」

 当然のことながら俺はやる。

 4対1ね。

 ギフト持っていない時は、ヒットアンドアウェイで戦うだろうが、躊躇なく俺はギフトを使おう。

 どうやって痛めつけようかな。

 方法はたくさんあるが折角だし真百合の伝手で手に入れた痛みを与えるギフト犯された聖少女アイアンメイデンを使うか。

 ただ俺がいざ実行する前に月夜さんが動いた。

「ちょっとお客様、周りの迷惑になりますのでお静かに……きゃっあ!」

 勇気を振り絞ってか弱いながらも屈強な男に注意した月夜さんだったが、色々と思考が残念な男からむなしく理不尽に突き飛ばされた――――






――――ように見えた。

 周りから見れば男にどつかれてウエイターが倒れたふうに見える。

 ただ俺は見てしまった。

 月夜幸が自分からぶつかって、そして自分からこけにいくのを。

 つまりは演技。

 そして意図的に倒れた先に妹がいる集団があり、その集団にぶつかってしまった。

「ずみまぜんお客様ぁあ」

 起き上がりながら客に謝る月夜さんは涙声だった。

「ちょっとひどくない?」
「こんな子泣かせるなんてサイテー」

 女子中学生が餌を狙うカラスの様にギャーギャー騒ぎ出し、周りの注目が一層強くなる。

「いや、オレは悪くねえ~。その女が勝手に」
「言い訳するの?ほんとサイテー、マジサイテー」

 周りから侮蔑的な視線を浴びせられる男。

 同情の余地何て一切ないと言わんばかりの無言の圧力だった。

「なにこっち目で見てんだよ!」

空しくも吠える男だったが、その怒号は意外に効果あったらしく一瞬であたりをシンとした。

「クククッ」

 そんな静寂の中、俺の妹が笑いをこらえる気なんてせずに、気持ち悪い笑い方で笑う。

 属に言う暗黒微笑。

「ガキが、なに笑ってんだよ!」
「笑ってなんかいません。嗤っているんです」

 妹は立ち上がり、男の襟元を掴みそのまま引っ張る。

 バランスを崩した男は妹を見上げる形になった。

「人様が食事をしているのに、ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー飼育された鶏の様に騒ぎやがって、発情期ですかコノヤロー」

 よく分からんが、妹の逆鱗に触れたらしい。

 そして構図が俺vs男から妹vs男に変わってしまった。

 その場に取り残される俺。

 止めようかと思ったが月夜さんからアイコンタクトをされた。

 やっぱわざとかよ。

 彼女は俺が戦うのをやめさせたかったのだろう。

「発情期?かもなぁ~。そのおっぱいいい感じじゃないか。触らせてくれたら許してやってもグヘェ」

 おお。

 妹の股間蹴りが男を襲った。

 股間を蹴るときのフォームは中々ほれぼれするものがある。

 衝撃に耐えきれず蹲る男。

「このアマァ!ちょっと表出ろ!」
「しゃーないですね。三分だけ待っててください」
「んー、気を付けてね」

 中学生たちは妹に対して一切心配していない。

 で、その妹はスケッチブックを抱え教室から出ていき、男たちもそれに続く。

 これでなんと邪魔だった集団を一つ排除できた。

 しかもその流れでもう一個集団が出ていく。

 何だかんだで、居座り客を排除することに成功した。

 回転率が上がったため、接客に勤しむ必要があったが妹達が気になったので、無理を言ってレジを八重崎に任せ後をつけることにした。





勝手に使われていない教室に移動する妹達。

「今なら泣いて謝るだけで許してやるんだが」
「うっせー。人待たせてるんでさっさと攻撃してきてください。でないと正当防衛が成立しません」

 男たちは笑う。

「おれ達相手に勝てると思っているのか?」
「まさか。一対三くらいなら殴り合いでも勝てるでしょうが、四人だとちょっと厳しいのは自覚してます。ですのでギフト使います」

 それを聞いてさらに笑い出す男たち。

「そりゃ、もしオレたちがギフト持ちじゃなかったらその計算はあってたかもなあ。ただ~じゃんねんながらオレたち全員ギフトホルダーで~す」

 予想はしていた。

 やけに自信あったもんな。

「……はあ」

 ただ妹は怖気づかずに

「でもどうせゴミみたいなギフトなんでしょ?」
「それをどう考えるかは自分で考えてくださ~い、異時間離アウェイグラウンド
「…………!」

 ピアスの男は俺ですら目で追えないほどの速さで妹の背後をとり両腕を拘束する。

 妹の持っていたスケッチブックは床に落ちる。

 スケッチブックは何も書かれていないページが開いたままになり、男がその上に足をのせている。

「かっ~。気持ちぃぃ。犯されるついでに教えておくが、おれのギフト能力は、周囲とは異なる自分だけの時間で動ける能力なんだよね~。意味わかる~?」
「…………好きなように動けるってことですか?」
「せ~かい」

 思ったよりあの男は出来るようだ。

 思っていたよりかは。

「で、早漏野郎。これで終わりですか?」
「い~や、これから始まるんだ」

 助けに行った方がいいだろうかと思ったがあまり慌てていない妹を見るに策があるのだろうか。

「しゃーないか。これあんまり使いたくなかったんです。ですので一度警告しておきます。降参するなら今のうちです」
「するのはお前の方だろうが」

 にやりと気持ち悪い顔で笑う男は妹の股に触ろうとした瞬間

二次色の筆レインボードリーム

 妹はギフトを使った。



 ほんの一瞬、妹の周りが光ったかと思うと妹を拘束していた男が消えていたのだった。

更新が遅れた理由

1、そろそろ免許取らないとまずい
2、単位がやばい
3、色ギルガ作ってた
+注意+
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